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ミラクル・リナックスの、第3章がスタートします。

ソフトバンク・テクノロジー社との資本提携により、Linux/OSSを活用した先進的なサービス提供を推進します。

当社は、ソフトバンク・テクノロジー株式会社(以下、SBT社)と事業提携を目的とした資本提携を行い、7/31をもって株式の譲渡を完了しました。(7/8発表のプレスリリース

この発表後に、当社のパートナー様やお客様など、多くの方々から前向きな反応を頂いております。この場をお借りしてお礼申し上げると共に、今後とも変わらぬご支援をお願い致します。

ただ、Twitterでは驚きの声やなかなか辛口のツイートも頂きました。当社の現在のビジネス状況や新たな取り組みなど、正しい情報を広くお届けするのはなかなか難しいものです。この機会に、当社の状況を皆様にご説明したいと思います。

  • Linuxディストロは、年間1万5,000本新規出荷しています。
    昨年、一昨年ともに1万5,000本を出荷しており、3年前は1万本の出荷実績があります。お客様にご説明すると「一体どこに売れているのですか?」という話になります。当社のLinuxは、いわゆる情報システムサーバ(DBやERPなど)では少数ですが、アプライアンスサーバのOSとして多く利用されています。ハードウェアの仕様はIAサーバに近いですが、長期サポートが必要なお客様や特殊なハードウェアをお持ちのお客様のOSとして、ご利用いただいています。⇒ 利用例

 

また、当社ではLinux技術を核として、以下のように様々な製品や取り組みを行なっています。

  • 様々な新しい取り組み1(デジタルサイネージ:MIRACLE VISUAL STATION)
    世の中には多くのサイネージプレイヤーがありますが、Linuxを用いているものはほとんどありません。当社ではエンタープライズのLinux技術をフル活用して、安定しかつ高速なサイネージソリューションを開発し、提供しています。 製品リリースから4年を経過して、様々なところで利用されています。⇒ 利用例
  • 様々な新しい取り組み2(システムバックアップ:MIRACLE System Savior)
    Linuxのサーバ技術を応用して、仮想化環境も含めたシステムバックアップが取得できる製品を提供しています。この製品は、複雑なシステム構成を持つサーバをオフラインでバックアップする製品です。この製品のこだわりは、「CUIしかない」ことです。安定的に動作し、多くのシステム構成への対応を実現しています。今時CUIだけと思われるかもしれませんが、システムバップアップやリストアをする現場では、操作ミスが許されず、オペレーションミスを無くすためにもCUIがベストというものです。
  • 様々な新しい取り組み3(Androidサイネージ:MLAndonuts
    Linux技術の応用という点では、AndroidもLinuxカーネルを利用しているために、当社の技術が生きてきます。そこにサイネージ技術を合体させたのが、MLAndonuts(エムエル・アンドーナッツ)です。このソフトウェアは、まだ製品化されていませんが、As Isであれば、そのままご利用頂けるソフトウェアになっています。AndroidタブレットやAndoridスマートフォンでご利用できますので、ぜひお試し下さい。
  • 様々な新しい取り組み4(Android for x86
    これまでもx86パソコンで利用できるAndroidのブートイメージや利用手順を公開してきましたが、先月Android 4.4 for x86を公開しています。このソフトウェアも製品化はしておりませんが、どなたでもご自由にご利用いただけます。この成果は、4月に入社した当社の新卒社員が記事を書いています。
  • 様々な新しい取り組み5(運用統合ソフトウェア:Hatohol(はとほる))
    今もっとも力を入れているのが、このソフトウェアです。当社社員がR&Dの一環で一から開発し、Project Hatoholというコミュニティを立ち上げてOSSとして公開をしています。これまでのMIRACLE ZBXでは、監視だけの機能を提供していましたが、このHatoholを活用して監視以外の機能も提供することができます。現在は製品化されていませんが、近々サービスも提供する予定です。
  • 利益出てます。
    今回の資本提携の際にSBT社から発表された資料には、一部当社の業績が掲載されています。⇒こちら。
    過去三年間で売上/純利益ともに順調に推移し、健全な財務状況がご理解頂けると思います。
    そうなんです、ミラクル・リナックスは、ちゃんと利益を出しながら、Linux/OSSのビジネスを継続しています。売上規模はまだまだ小さいですが、それでもLinux/OSSを専業としたメーカで利益を出しているところは日本では数少ないはずです。正直苦しい時期もありましたが、今は、利益が安定的に出せる会社となっています。
  • 新卒社員を採用しています。
    過去三年間に毎年新卒社員を採用しています。 2015年4月度入社の方も採用活動をしています。新卒採用の狙いは、職場の活性化とノウハウを継承できる若い人材の育成です。当社が持つLinux/OSS技術は非常に素晴らしいものがあり、それを継承していくことで会社の継続性を担保し、お客様に安心して長くお使いいただけるサービスを提供していきます。

 

「利益が出ているなら、他社と資本提携せずに独自の道を歩めばいいのでは?」というご意見もあると思います。Linux/OSSはとても素晴らしいものだと私はいつも考え、この業界で仕事ができることに喜びを感じています。そして、Linux/OSSを多くの企業に使って頂きたいとも考えています。これまで当社は、Linux/OSSを活用して企業ユース/ニーズに応える製品やサービスを提供しており、これらのポリシーを変えることはありません。

また、第二の創業として私が当社の社長に就任した2008年7月に掲げた「Linux応用分野の拡張」(当時の記事)は、前述した通りに実現できたと考えています。しかしながら、昨今のLinux/OSSの適用範囲は、6年前から大きく広がっています。次の新しいステージに当社を成長させるためには、当社の強みであるLinuxをベースとした技術を異なる技術と合わせることにより、より良い製品やサービスを提供できる体制をつくる必要がありました。そこで、我々が持ち得ていない技術を持つ会社と資本提携をし、スピードアップをすることが重要であると考えました。

SBT社とのビジネス協業は既にスタートしており、当社だけでは実現できなかった新しいアイディアも様々でてきています。当社は、これまで通りLinuxディストリビューションを核にし続けると共に、SBT社との提携により新しい飛躍を目指します。2000年の創業からのLinuxディストリビューション、2008年からのLinux応用分野への挑戦を経て、ミラクル・リナックスは第3章のステージに踏み出しました。

第3章としてのミラクル・リナックスに是非、ご期待下さい。

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