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SaaSサービスの利用(Kintone+Quetetra+box連携)

2015年7月に「SaaSサービスを5年使ってみてわかったこと」をblogにしました。あれから1年半が経過しましたが、その後もQuesteraの利用範囲は広がっており、2016年は、boxとKintone連携も行いました。

当社で利用されているSaaSサービスは、Questetra(クエステトラ)がメインですが、最近利用者アンケートを取っていなかったので、アンケートをとってみた結果がこのグラフになっています。導入当時の2010年4月には、メールと紙の承認が混在していましたが、既に紙ベースの承認は存在しないので、今回はメールベースと比較をしてもらいました。結果は、「95%以上の人がWFが業務効率化に貢献している」と回答しています。また、「大いに貢献している」が50%を超えていることも素晴らしいことだと思います。(アンケートの選択肢には、「貢献していない」という選択肢もありましたが、それは一人もいなかったことも付け加えておきます)ということで、Questetraは、当社の業務効率Upに役立っています。

そして、今年の新しい取り組みは、顧客への対応にQuestetraを利用し、他のSaaSサービスと連携するということでした。

 

Kintone⇔Questetra⇔boxとの連携

この連携については、クエステトラ社の事例に既に使われています。設定方法などは、クエステトラ社のページを参考にしてもらえれば良いかと思います。ここでは、この連携に至った背景を書きたいと思います。

  • データベース連携の模索
    Questetraでは、XML選択肢を使ったマスターDBやGoogle Spreadsheetとの連携によるデータのやりとりが可能です。そのため、「マスターデータ参照をする」や「リストデータを管理する」という点ではこの方法で実現が可能です。
  • 実装したい機能
    今回実装したかったのは、事例にも書かれているように、以下の2点を実装することでした。
    • 「Excel管理だったサポート更新情報をDB化する」
    • 「サポート更新案内をお客様にメールで通知する」

Kintoneの必要性
  • 更新情報をDB化する方法は、Google Spreadsheetも検討をしましたが、業務担当者がこのDBに追加/更新などの作業をする必要があり、Form画面を作る機能がGoogle Spreadsheetが劣るために採用を見送りました。Google Fusion Tableなる機能もあるのですが、あまり利用例がなく、将来的にサービスが終了してしまうかもしれないので、これも見送りにしました。そして、Questetraと連携できることが記事に出ていたKintoneを検討することにしました。幸いKintoneは、兄弟会社であるM-Solution株式会社がSI/コンサルをしていることもあり、どの程度の機能があるかをすぐに聞くことができました。また、2013年9月から1年程度営業活動管理で利用をしてそため、事前知識が少しはあり、業務担当者が日々更新することも考え、Kintoneに決定しました。

boxの必要性
  • 「更新案内をメールで通知する」方法は、通常は、Questetraのメール送信機能を使って、メール添付することが考えられます。ただし、今回の場合には、添付するPDFファイルを暗号化することが必要でした。ここがネックになりました。QuestetraにもPDFファイルを作成する機能がありますが、残念ながら暗号化の機能はありません。KintoneにアドオンできるライブラリなどにもPDF作成機能はあっても、暗号化まではできません。ZIPライブラリなども検討したのですが、KintoneやQuestetraに埋め込むことができません。
    じゃあ、考え方を変えて、クラウドストレージにファイルをアップロードして、そのアクセスにパスワードが必要にすれば、同等のことができると考えました。
    そこで、候補になったクラウドストレージは、以下の4つでした。
    • Google Drive:追加料金が不要。セキュリティポリシー上、社外とファイル共有は禁止。パスワードアクセス設定ができない。
    • box:APIが充実している。URLアクセスパスワード、ダウンロード期限設定、履歴を確認することができる。QuestetraとboxのAPI連携の例があった。
    • Dropbox:boxと同様のことができるが、企業利用におけるセキュリティポリシー開示などがboxより劣る。
    • GIGAPOD:API機能がREST対応しておらず、Questetraと連携できない。

  ということで、boxを利用することにしました。

クロスドメイン問題

KintoneとQuestetraを連携する際に、クロスドメイン問題にあたりました。
KintoneとQuestetraの連携を最初に考えた時には、KintoneからQuestetraに送信したいファイルや送信情報を送付して、その完了ステータスをReplyしてもらうことを考えました。ところが、Kintoneから外部APIをコールする方法である、kintone.proxy()を使う場合には、JSONPを利用しないといけないのですが、Questetra側には、この方法のAPIを持っていません。Questetraは、自分が呼び出し元で他のAPIをコールすることが主眼に置かれているので、自分が他の外部APIからコールされるのは、あまり得意ではありません。
そこで、いつもお世話になっているクエステトラ社のFさんに相談をして、Kintoneからデータを更新したいアプリIDとレコードIDだけをもらい、その後は、Questetra側からKintoneを呼び出す方法でした。

ということで目立たく事例の方法が実現されることになったのです。パチパチ。

PS:クエステトラ社のFさん、いつも丁寧に対応頂き、本当にありがとうございます。今年1年もありがとうございました。来年も新しい機能がリリースされれば、どんどんシステムを拡張していきたいと思います。

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