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熊本地震の災害ボランティア活動レポート:活動に参加してわかったこと

2016年4月に熊本県をはじめとする九州地方で発生した地震の被災地でボランティア活動を行ってきました。震災から半年以上を過ぎてもいまだに被害が残っている状況など、現地で見聞きしたことをご紹介したいと思います。
2016年4月に熊本県をはじめとする九州地方で発生した地震で被災された皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。

ミラクル・リナックスでは、被災者の支援と被災地の復興のためにできることは何か、有志による支援プロジェクトのチームを立ち上げて考えてきました。
今回、被害が大きかった地域のひとつ、益城町の現地でボランティア活動を行ってきました。震災から半年以上を過ぎてもいまだに被害が残っている状況など、現地で見聞きしたことをご紹介したいと思います。

私たちが参加したのは、「益城町災害ボランティアセンター」( http://www.mashiki-saigai.info/volunteer )で益城町社会福祉協議会が中心となって、全国の社会福祉協議会、地方自治体、共同募金会、NPOなどの支援を受けて運営されている団体です。ボランティア活動はこれまでの実施から開催曜日が減り、10月は金/土曜日のみとなっていました。実施日などはボランティアセンターのFacebookに公開されています。

ボランティア活動に参加してわかったこと

地震当初はボランティア物資援助が必要な状態のことでしたが、約半年経った現在では、ボランティア活動に必要な備品はボランティアセンターに全て揃っているような状況でした。

今回ボランティア活動に参加するにあたって、支援プロジェクトチームで団体や地域のウェブサイトを見たり、九州地方に拠点を置くお客様や関連企業の方々に状況をうかがったり、さまざまな情報収集をしました。

現地に行って活動してみてわかったことをまとめてみます。

持参する荷物について

ボランティアは自己完結型が基本なので、宿泊先や飲食物を自分で手配するのはもちろん、ボランティア活動で使う清掃用具なども持参することと考えていました。

私たちは都内で新しいほうきや雑巾、布巾など掃除用品やキッチン用品などを調達して持参しましたが、行く時期によっては全てを持って行く必要はないように思いました。今回の活動を踏まえると、発生してすぐの物資が不足している時期とは異なり、ボランティアセンターで清掃用品からマスク、手袋などの防護用品や、運送に必要なトラックまで、さまざまなものが準備されていました。

また、ボランティア活動場所が内容によってバラバラなので、動きやすいように、リュック1つで収まりきるような荷物具合で行かれることをお勧めします。また、作業時はリュックなどの大きな荷物は施錠した車に置いていましたが、貴重品を入れるポシェットのようなものがあると便利です。

避難所の備品今回役に立つと思ったもの

  • 長靴、もしくは動きやすい頑丈な靴
  • 軍手(荷物運びや作業のときに必須)
  • 使い捨てマスク
  • ウェットティッシュ(水道の出ない野外などで便利)
  • 雑巾
  • 充電池
  • 普通自動車運転免許(大型もあればなお可)

 

今回持参したけれど使わなかったもの

  • ほうき
  • 食器拭きの布巾
  • ゴミ袋
  • 作業用ゴーグル、またはメガネ

 

宿泊先・交通手段について

現地で出会ったボランティアの方の中には、車で1か月も寝泊まりしている方がいましたが、非常にハードですし、夏は熱中症などの恐れもあるのでなるべくビジネスホテルなり、体を休められる宿泊施設をあらかじめ予約した方が良いと思います。災害発生直後などは宿泊施設自体が被害にあって営業していない可能性もありますが、その場合は、近隣の市町村からレンタカーなどで移動することになると思います。今回は幸い熊本市内のビジネスホテルが予約できたので、宿泊先からボランティアセンターまで車で30分くらいで通うことができました。

地域によって交通事情は異なりますが、支援場所まで公共の交通手段が整備されていないケースが多いと思います。自力で移動できることが基本なので、事前にレンタカーを手配しておくことをお勧めします。私たちもあらかじめレンタカーを手配してメンバー4人が車1台で移動しました。ボランティアセンターで貸し出してくれた軽トラックで荷物を運搬することもあったので、参加するメンバーは運転免許証を持っていないと動きが制限されると思います。


支援物資について

全国各地から支援物資が届くそうですが、中では送られても困る物資があると伺いました。具体的には、食器や衣類などで、新品ではなく不要になったものだそうです。「何か支援をしたい」という善意の気持ちとはわかっても、実際に被災者の方々のご家庭に届けられるものではなく、結局それらを処分するために人手が必要になる、とおっしゃっていました。

熊本城前のメッセージ私たちがご一緒したボランティアの方も、そのように送られてきた中古の食器を割って処分する支援作業に参加された方がいました。

せっかくの援助の気持ちが、援助にならず、余計な仕事を増やすことにもなるので、その時期のニーズに合った物資援助または作業をするのが改めて大切だなと感じました。

今回参加してみて、行動を決める前にまず地域のウェブサイトやFacebookなどで最新の情報を確認して、その時に求められていることが何か(支援金なのか、物資なのか、人手なのか、など)を見極めることで現地の方の負担を減らせると思いました。

ボランティアセンターの活動日が今後減っていくようですが、受け入れてくださった現地の方々は、「忘れられてしまうことが怖い」とおっしゃっていました。復興までまだしばらく時間も人の手も必要に見えましたし、これからも現地から発信される情報を見ながら、私たちにできることを継続していきたいと思います。