障害発生時の情報採取について

本ドキュメントの対象となる製品

  • Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 for x86_64 (64bit)
  • Asianux Server 4 == MIRACLE LINUX V6 for x86 (32bit)
  • Asianux Server 4 == MIRACLE LINUX V6 for x86_64 (64bit)
  • Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 for x86 (32bit)
  • Asianux Server 3 == MIRACLE LINUX V5 for x86_64 (64bit)

 

概要

障害発生に備えてあらかじめ準備しておくことは、障害の原因を調査するうえで大変重要です。本ドキュメントでは、 障害発生時の情報採取の方法、ならびに準備すべき内容について説明します。

 

注意事項

本ドキュメントの内容は、Asianux Server 3、Asianux Server 4、Asianux Server 7 を前提として記載しています。本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。

 

障害発生時の情報採取

障害発生の際には、以下の点についてご確認ください。これらは、サポート窓口へお問合せいただいた際にも質問される内容ですので、事前に準備していただくことにより問題の早期解決に役立ちます。


※サポート窓口へお問い合わせを頂く際は「お問い合わせフォーマット」もご利用頂けます。

 

使用環境の確認

  • ハードウェアの構成
  • 使用OSとバージョン
  • アプリケーションの種類、バージョン

 

現象内容についての把握

  • 現象発生日時
  • 現象と問題点の詳細
  • 現象の再現性の有無について
  • 現象に再現性がある場合、その再現手順
  • 現象発生日時の近辺に行っていた操作内容
  • コンソールに表示されるエラーメッセージ
  • その他の気づいた点について

 

既存のバグの有無

例えば、特定のアプリケーション使用時に障害が発生するような場合には、既存のバグの有無を確認することで、問題の早期解決につながる場合があります。
 
Asianux Server の場合、弊社 Asianux Technical Support Network(TSN) から既存のバグの有無を確認することができます。

 

情報採取のための事前準備

ミラクル・リナックス カスタマーサポートセンターでは、[障害発生時の情報採取][既存のバグの有無]と併せて、現象に応じた情報採取をお願いしています。採取依頼のあった情報を採取できるように、事前に準備をしていただくことをお勧めします。

 

mcinfo による情報採取

Asianux Server に含まれる mcinfo は、現在稼動しているホストの各種ログやハードウェア情報、インストールされているパッケージ情報など、さまざまな情報を取得するコマンドです。なお、mcinfo の取得情報の中には、rootユーザーでしか取得できないものもあるため、mcinfo コマンドは root ユーザーで実行します。

# mcinfo

mcinfo の詳細については 以下をご参照下さい。

 
 

/var/log ディレクトリ配下の情報採取

/var/log ディレクトリ配下には、各種ログが置かれています。障害時には、システム再起動後に、取り急ぎ/var/log ディレクトリ配下をすべて採取しておくことも調査を迅速にすすめるためには有効です。

以下は tarコマンドで、/var/log ディレクトリ配下のログをすべて /tmp 配下に保存する場合の例です。
※ファイル名は任意です。以下の例では、ファイル名に日付と時刻を入れています。

# cd /tmp
# tar cvzf $(date '+%Y%m%d%H%M%S')_log.tgz /var/log/

 

シリアルコンソールによる情報採取

「コンソール」とは、一般的にシステムのメッセージ出力装置のことを指し、「シリアルコンソール」とは、サーバのシリアルポートとシリアルケーブルで直接つながっている端末のモニタとキーボードを指します。

  • カーネルパニック時の情報採取

シリアルコンソールの設定を行っている場合には、カーネルパニック時にコンソールに出力されるメッセージは、同時にシリアルポート経由でシリアルコンソール端末へ送られるため、メッセージを保存することが可能となります。

  • ハングアップ時の情報採取

シリアルコンソールの設定を行っている場合には、キーボード操作不可能となり、Shellのコマンド入力ができない場合でも、magic SysRq keyを使用して、シリアルポート経由で情報を採取できる可能性が高くなります。

シリアルコンソールの設定方法については、以下をご参照ください。


magic SysRq keyについては技術ドキュメント以下をご参照ください。

 

netconsole による情報採取

netconsoleとは、printk メッセージ(コンソールに出力されるメッセージ)をUDP経由でリモートマシンへ記録するモジュールです。シリアルコンソールが使用できない環境において、netconsoleを使用することで、ネットワーク経由でリモートマシンに情報を採取できる可能性が高くなります。

netconsoleの設定方法については、以下をご参照ください。

 

kdump による dump 情報採取

カーネルダンプとは、カーネルがクラッシュした際のメモリの内容をディスクに出力したものです。kdump とは、カーネルダンプを取得するためのツールです。ダンプ情報をクラッシュしたカーネルから取得するのではなく、新しく起動したカーネルから取得するため、信頼性の高いカーネルダンプを取得することができます。

kdumpの設定方法については以下をご参照下さい。

Asianux Server 7 
kdump の設定 (AXS7) 
 

Asianux Server 4
kdump の設定 (AXS4)
 

Asianux Server 3
Asianux Server 3 サーバ構築・運用ガイド 35.7 kdump の設定


その他

ミラクル・リナックス カスタマーサポートセンターでは、お問合せの内容に応じて、問題解決に必要な情報を考慮してご案内しております。

 

更新履歴

2016年 3月 14日 新規作成

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