kdump の設定 (AXS7)
本ドキュメントの対象となる製品
- Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 for x86_64 (64bit)
概要
kdump は、カーネルダンプを取得するためのツールです。ダンプ情報をクラッシュしたカーネルから取得するのではなく、新しく起動したカーネルから取得するため、信頼性の高いカーネルダンプを取得することができます。本ドキュメントでは、kdump の設定方法について説明します。
注意事項
kdump 用に確保するメモリーは、OS が利用するシステムメモリーの合計によって変わります。160MB + RAM の 4KB ごとに × 2bitした容量が必要です。以下に例を示します。
【システムメモリーの合計と kdump メモリー】
1TB の場合:160MB + 64MB = 224MB
2TB の場合:160MB + 128MB = 288MB
設定方法
kdump の設定を行うには、[アプリケーション] → [システムツール] → [Kernel crash dumps] の順に選択、または以下のコマンドを実行します。
# system-config-kdump
[基本設定] タブにある [手動セッティング] のラジオボタンを選択し、kdump 用に予約するメモリの容量を設定します。[新規の kdump メモリー] の上下矢印ボタンをクリックすると、予約するメモリのサイズを調節できます。
注意:[自動化された kdump メモリーのセッティング] は、システムメモリーの容量が 2GB 以上ある場合のみ使用できます。システムメモリーの容量が 2GB 未満の場合は、[手動セッティング] を選択し、[新規の kdump メモリー] で予約するメモリのサイズを指定してください。
[出力先] タブでは、カーネルダンプの保存先を指定できます。[ローカルファイルシステム] を選択すると、カーネルダンプをファイルとして保存できます。[raw デバイス] を選択すると、指定したデバイスにカーネルダンプを直接書き込むことができます。[ネットワーク] では NFS または SSH を使用してネットワーク経由でカーネルダンプを送信することができます。
注意:Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 では、 kdump systemd サービス起動時に、kdump のダンプ出力先として指定されているディレクトリが存在しない場合、サービスの起動に失敗します。kdump のダンプ出力先として指定されているディレクトリが存在することを確認した上で、kdump systemd サービスを起動してください。
[フィルタリング] タブでは、ダンプのフィルターレベルを選択できます。各ラベルの横にあるチェックボックスより、フィルターラベルを選択、または除去することができます。
[上級者設定] タブでは、必要に応じて各項目の設定を行なって下さい。
必要な設定ができたら、ツールバーの [有効化] が選択されていることを確認し、 [適用] をクリックします。以下のメッセージが表示されますので [OK(O)] をクリックし、システムを再起動します。
動作確認方法
kdump が正しく動作するか確認するため、以下の手順で故意にシステムをクラッシュさせます。
注意: 以下のコマンドを実行するとカーネルがクラッシュします。実行する際は十分に注意してください。
システムを再起動し、サービスが実行されているかを確認します。
# systemctl is-active kdump
active
以下のコマンドを実行し、故意にシステムをクラッシュさせます。
# echo 1 > /proc/sys/kernel/sysrq
# echo c > /proc/sysrq-trigger
クラッシュ後、kdump カーネルが立ち上がり、クラッシュしたカーネルダンプを記録した後、通常のカーネルで再起動します。カーネルダンプは、[出力先] タブで指定した場所に保存されます。
更新履歴
2016年 3月 14日 新規作成