MIRACLE ZBXアプライアンスでのphp-fpmプロセスの監視タイミング設定不備について
MIRACLE ZBXアプライアンスでのphp-fpmプロセスの監視タイミング設定不備について
概要
MIRACLE ZBXアプライアンスではMIRACLE FailSafeを使用して必要なサービスを管理しています。このサービス管理の設定において、php-fpmのプロセス監視設定に不備がありました。これにより、サーバメンテナンス等の理由で意図的にphp-fpmサービスを停止したさいに、本来は障害として検知するべきでないphp-fpmプロセス停止についての障害を発報してしまう可能性があります。
なお、本記事の設定不備は通常の監視システム運用に影響を及ぼすものではありません。
影響を受ける環境
以下のMIRACLE ZBXアプライアンス製品が影響を受けます。
- MIRACLE ZBX Virtual Appliance V5.0
- MIRACLE ZBX Virtual Appliance V5.0 Suite
- MIRACLE ZBX Virtual Appliance V5.0 for AWS
- MIRACLE ZBX Virtual Appliance V6.0
- MIRACLE ZBX Virtual Appliance V6.0 Suite
上記のアプライアンス製品をもとにカスタマイズを加えて導入している場合も影響を受ける可能性があります。
対処方法
php-fpmプロセスの監視タイミング設定を変更する必要があります。以下の手順にしたがって設定を修正してください。
Cluster WebUIにアクセスするためのファイアウォール設定
MIRACLE FailSafeの設定画面であるCluster WebUIにアクセスするためファイアウォールを設定します。rootユーザでログインして以下のコマンドを実行してください。
# firewall-cmd --zone=public --list-all
以下の例のようにports:
で始まる行に29003/tcp
が含まれていることを確認します。
ports: 443/tcp 10050/tcp 10051/tcp 10052/tcp 162/udp 29003/tcp
含まれていない場合は以下のコマンドを実行してください。
# firewall-cmd --zone=public --add-port=29003/tcp
Cluster WebUIでの設定変更
Cluster WebUIにアクセスしてphp-fpmのプロセス監視タイミングの設定を変更します。ブラウザで以下にアクセスしてください。
http://<サーバのIPアドレス>:29003
パスワードを入力してCluster WebUIにログインします。製品出荷時の初期パスワードは「zabbix」に設定されています。
画面上部にあるモード選択メニューで「設定モード」に変更します。
モニタにある「psw-PhpFpm」のプロパティアイコン(歯車と鉛筆のアイコン)をクリックします。
psw-PhpFpmの設定ダイアログが表示されたら「監視(共通)」タブを開いて「監視タイミング」の項目を変更します。「活性時」を選択して「対象リソース」には「exec-PhpFpm」を選択してください。
変更が完了したら「OK」をクリックしてダイアログを終了します。
最後に、変更を適用するため画面上部の「設定の反映」をクリックします。設定を反映するさいに一時的にクラスタのサスペンドが発生することに注意してください。
設定を反映できたら変更は完了となります。
ファイアウォール設定の復元
必要に応じて、最初に設定したファイアウォールの設定を元に戻します。以下のコマンドを実行してください。
# firewall-cmd --zone=public --remove-port=29003/tcp
以上でphp-fpmプロセスの監視タイミングの設定の修正が完了となります。
注意事項
- 本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。
- 本ドキュメントは限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、 全ての環境での動作を保証するものではありません。
- 本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行なったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。
更新履歴
- 2022年07月28日 新規作成