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Transifex で OSS 活動をしています

駆け出しエンジニアの新卒が翻訳ツールの Transifex でOSS活動をしている話

OSS技術本部・基盤技術部新卒のたなかです。

社内では LinuxOS や、Linux を用いた製品を開発していますが、まだまだわからないことが多く、日々勉強しています。

さらにサイバートラストでは、OSS 活動をすることが推奨されています。

私は、OSS活動の一つとして、オープンソースのシステムやアプリケーションに使われている言語の翻訳をしています。

「YOU投稿しちゃいなよ」という先輩の後押しもあり、「私の活動を知ってほしい!ブログを通して、OSS に参加してほしい!」という思いでブログ投稿に至りました。なんと、新卒ブログを抑えて入社して初の投稿です!

(たなか、12月に新卒ブログを担当するので見てね!!)

 

今回は、私の OSS 翻訳活動で使っている翻訳ツールの Transifex を紹介します。

▽ Transifex とは

文書はもちろん、OSなどのシステムやアプリケーションの翻訳に使われる web ベースの翻訳プラットフォームです。全世界の様々な言語の翻訳が Transifex で行われています。

 

(483もある!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

▽ どんなプロジェクトで使われているのか 

Transifex は以下のようなプロジェクトやサービスで利用されています。

 

  • Django : Python の web アプリケーション用フレームワーク
  • Fedora : Fedora プロジェクトのコミュニティが主導するディストリビューション※[1] 
  • RPM : Red Hat の OS で用いられる、ソフトウェアを管理するシステム
  • Yum : RPM パッケージを管理するシステム
  • Eventbrite : イベント管理用の web アプリケーション https://www.eventbrite.com/
  • Pinterest : 写真をメインとした情報共有サイト https://www.pinterest.com/

 

オープンソースの翻訳支援システムに用いられることが多いですが、それだけでなく、Pinterest[2] 等の web ページの翻訳にも用いられています。

 

▽ 翻訳のはじめかた

ひとまずアカウントをつくりましょう。 https://www.transifex.com/signup/

扱う言語を選択します。

 

yumpic_screenshot2

 

transifex では、既存の翻訳プロジェクトに参加して翻訳をすることも、オーナーとなって翻訳のプロジェクトを始めることも可能です。

 

yumpic_screenshot3

 

既存の公開されたプロジェクトを検索することができます。

翻訳プロジェクトに参加し、オーナーに翻訳したい言語を申請して承認を得るか、自らロジェクトを作成することで翻訳活動が始まります。

 

 

私は、ひょんなことから[3]Sabayon[4] という Gentoo[5] ベースの Linux OS で使われている言語を英語から日本語に翻訳することになりました。 

 

Gentoo といえば、弊社マスコットのカーネルくんもインストールに挑戦しています!

【みらくる4コマ劇場】⑦はじめてのコマンド入力

 

 

▽ 翻訳活動について

プロジェクトのメインのページは以下のような感じです。

活動状況が確認できます。

これは、Enman という、sabayon の リポジトリ管理アプリケーションの翻訳プロジェクトです。

原文の数と、自分の担当する言語の翻訳状況、翻訳された言語の数など、プロジェクトの進捗状況が確認できます。

(まだ半分しか翻訳できてない。。。たなかがんばる。)

 

yumpic_screenshot3

 

翻訳は簡単で、左の翻訳したい単語を選んで、真ん中に翻訳した単語を入力します。

 

yumpic_screenshot4

 

既に正しく翻訳されていたら、実装候補として投票することができます。

もちろん、この web でのプラットフォームだけでなくシステムのリソースをダウンロードして翻訳ファイルを作成することもできます。

今私が行っているのは、Transifex での翻訳のみです。

翻訳をすると、Sabayon のメンテナーがマージして翻訳が反映されていきます。

ちなみに、この翻訳プロジェクトで翻訳を開始してから数週間後に私の翻訳が取り込まれ、 sabayon の translator として sabayon プロジェクトの翻訳ファイルに名前が記載されました。(たなかやったね☆)

 

yumpic_screenshot5

▽ 実際のシステムの翻訳活動

では、実際にどのようなシステムを翻訳しているのか見てみましょう。

こちらは、Sabayon の パッケージ管理アプリケーションの Rigo[6]の日本語版です。

Rigo は、GUI でパッケージを管理することができます。

Transifex では、英語を日本語に翻訳するだけでなく、翻訳を修正することもできるのです。

 

yumpic_screenshot6

(たなかこの訳も結構好きだよ。。)

yumpic_screenshot7

 

そしてこちらが実際の Transifex のページです。

このように、 transifex では、言語を翻訳したり、翻訳を修正したりすることができます。

私は、翻訳者として Transifex を使っていますが、翻訳のできる協力者を募れば、あなたの開発したシステムが世界中の人がその国の言葉で扱うことのできるシステムになるかもしれません。

※サービスは一部有料です。[7]

 

▽ 最後に

最初に述べた Fedora のコミュニティでも、翻訳[1]に限らず開発などの OSS 活動を始められるようです。

https://fedoraproject.org/wiki/Join

(みんな Fedora やろうぜってたなかの先輩が言ってたよ!)

こちらは、私の一つ上の先輩が Fedora に patch を投げた記事です。

https://www.miraclelinux.com/tech-blog/a7eza6 

 

 

Fedora に限らずとも、OSSのコミュニティはたくさんあります。

他にも同じ部署には、 Transifex を用いて Xfce の翻訳を行っている先輩もいます。

https://docs.xfce.org/contribute/translate/start

 

Transifex は、自分の OSS を他の言語に翻訳して世界中の人に使ってほしいという人はもちろん、

  • OSS に貢献しながら英語も勉強したい
  • 英語は好きだけど、Linux を扱うことや開発することに自信がない

という人にとってもOSS に貢献するきっかけとして利用できるサービスの一つだと思います!

 

是非、Transifex を使って OSS に貢献してみませんか。 

 

私は駆け出しエンジニアですが、この翻訳活動を通して、現在翻訳している OS のことや、Linux のことがわかってきました。将来は翻訳だけでなく OSS の開発に携わることができるように、翻訳を続けて、どんどん Linux に触れていきたいと思います!(たなかの成長に乞うご期待!)

 

▽ 参照

[1] : 現在、Fedora の翻訳プロジェクトは Zanata に移行して行われています。

         Move localization from Transifex to Zanata https://pagure.io/freeipa/issue/4832

         Fedora の翻訳プロジェクト https://fedoraproject.org/wiki/L10N?rd=Translation  (2018/10/01 追記)  

[2] : http://davedash.com/2012/06/04/pinternationalization/

[3] : 新卒に gentoo デベロッパーがおり、Sabayon のメンテナーを紹介してもらうことになりました。

[4] : gentoo 初心者向けの OS です。中身は gentoo ですが、インストール時に自分でカスタマイズする必要はありません。他のOSのと似たような感じです。(gentoo と聞いたので最初はどきどきしていたけどすんなり入れることができてホッとしました。) https://www.sabayon.org/

[5] : インストール時にパッケージをビルドしたりオプションを決めたり、ユーザーによる OS のカスタマイズが可能なこと特徴の OS です。Linux 上級者向けとよく言われています。https://www.gentoo.org/

[6] : パッケージ管理の GUI で使えるアプリケーション https://wiki.sabayon.org/index.php?title=Rigo

[7] https://www.transifex.com/pricing/

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