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AlmaLinux, Rocky Linux, MIRACLE LINUX - 日本で選択すべきCentOS Linux 8 の後継はどれか

CentOS Linux 8の後継として選択すべきものはなにか、コミュニティ版LinuxであるAlmaLinux、Rocky Linux、そしてOSライセンス無償となることが発表され、ダウンロード提供が10月から開始される国産のMIRACLE LINUXを改めて比較してみます。
本記事は、はてなブログ上の「MIRACLE LINUX」ブログに2021年9月16日に掲載した記事を転載したものです。現在の状況と記事の内容に異なる点がありますことを事前にご了承ください。

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前回はRed Hat Enterprise Linux, Oracle Linuxといった商用LinuxとMIRACLE LINUXのサポートサブスクリプションを比較しました。今回は12月末のサポート期限が迫るCentOS Linux 8の後継として選択すべきものはなにか、コミュニティ版LinuxであるAlmaLinux、Rocky Linux、そしてOSライセンス無償となることが発表され、ダウンロード提供が10月から開始される国産のMIRACLE LINUXを改めて比較してみます。

Rocky Linux(コミュニティ版Linux)

「Rocky Linux」はCentOS創設メンバーであったGregory Kurtzer氏が新しく始めたコミュニティ主体のRHEL互換のプロジェクトで、Rocky Enterprise Software Foundation (RESF)が運営母体となります。RockyLinuxがコミュニティの手に止どまるのに必要な組織構造を重視しCentOSでのポリシー変更のようなことが起きないようにすることに注力しています。

AlmaLinux (コミュニティ版Linux)

「AlmaLinux」はAlmaLinux OS Foundationが運営するコミュニティ主体のRHEL互換のプロジェクトです。商用LinuxサブスクリプションのCloud Linuxを販売している企業から年間100万ドルの資金援助を受けています。商用版Cloud Linuxでの長い実績を元にAlmaLinuxをコミュニティ向けに提供しています。

MIRACLE LINUX(商用版Linux)

「MIRACLE LINUX」はサイバートラスト株式会社により日本国内で開発・サポートされ、20年以上の実績を持つ商用Linuxディストリビューションです。産業用PCのプリインストール版Linuxディストリビューションとして57%の高いシェアを獲得しています。従来からRHELと高い互換性を備え、10年間の長期サポートを提供し、10月にリリースされる「MIRACLE LINUX 8.4」からOSライセンス無償となり、誰でもダウンロードでき、そのまま継続して使用することが可能となります。

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AlmaLinuxやRocky Linux向け商用サポート

コミュニティ向けであるAlmaLinuxやRocky Linuxにも商用サポートを提供する組織は存在します。

Tuxcareによるサポート

AlmaLinuxのスポンサー企業であるCloud Linuxが立ち上げた商用サポート専用ブランドが「Tuxcare」となり、AlmaLinuxに対して次のようなサポートサブスクリプションを提供しています。

価格については、契約ごとにサポートの範囲と内容を事前に調整・交渉を行うSOW(作業範囲明細書)ベースとなり決められた価格はありません。サポートの交渉、申し込み、インシデント対応のやりとりは全て英語となり、日本語でのサポートは現状ありません。

https://tuxcare.com/linux-support-services/

 

Openlogicによるサポート

Openlogicはオープンソース関連テクノロジーのサポート専門会社でCentOS、Ubuntu、Oracle Linux、openSUSE、Rocky Linux、AlmaLinuxといった一般的なLinuxディストリビューション向けに、ゴールド、シルバー、ブロンズの各層のサポートパッケージを提供しています。

Openlogicでも、契約ごとにサポートの範囲と内容を事前に調整・交渉を行うSOWベースとなり決められた価格はありません。サポートの交渉、申し込み、インシデント対応のやりとりは全て英語によるやりとりなり、日本語でのサポートは現状ありません。

https://www.openlogic.com/solutions/enterprise-linux-support

 

MIRACLE LINUX - 顔が見える日本語サポートを提供

10月からOSライセンス無償となるMIRACLE LINUX 8.4 は、商用Linuxでありながら、コミュニティ向けのAlmaLinuxやRocky Linuxと同様にダウンロードしてインストールしてそのまま継続して運用でき、セキュリティアップデート等も利用できます。

AlmaLinuxやRocky Linuxと大きく異なるのは、別組織やサードパーティがサポートを提供するのでなく、サイバートラスト株式会社がMIRACLE LINUX 8.4のディストリビューションとサポート、各種情報提供を包括的に行うことにあります。

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これにより、開発エンジニアとサポートエンジニアのシームレスなコミュニケーションから精度や信頼性の高いサポートが可能となるだけでなく、MIRACLE LINUXを導入した日本国内のユーザーに対して、全て日本語での対応や、顔が見える、日本のビジネスカルチャーに適した対応を得られるようになります。

ユーザー企業や組織にとっても、手間や時間をかけて情報収集を行ったり、英語で個別に商用サポートの交渉を行う必要はなく、サイバートラスト社からISO イメージのダウンロードから商用サポートサブスクリプションの利用まで一括して行え、時間や余分なコストを削減できます。

 

MIRACLE LINUX 8.4のサポートは月額換算4,750円から

MIRACLE LINUX 8.4からサポートサブスクリプションの種別が少し変わります。従来からの「Standardサポート」、「VM Standardサポート」に、数百台から数万台規模の「大規模導入向けサポート」、特定業務用途PCに対応した「Linux専用機向けサポート」が加わりました。企業内でのサーバーからデータセンターでの大規模な運用まで幅広い用途をカバーしています。

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価格も改定され「Standardサポート」は年額¥57,000(税別)、月額換算では月々4,750円からと負担の少ないコストで技術サポートが利用できます。これは中小企業でのより安定したLinuxシステム運用に大きな力となります。大規模な運用においてもサポートコストの大幅な低減を実現します。従来からのプラチナ サポート、プラチナ インシデントサービスもご利用になれます。

基本的な「Standardサポート」であってもサーバーシステム運用に必要な要素は網羅されています。SLA(サービス レベル アグリーメント)から一部を紹介しましょう。Standardでは次の4つの技術サポートレベルが対象となります。

(1) インストール方法案内:インストールメディアまたはネットワーク経由のソフトウェアのインストール、アップデートを行う方法を案内

(2)ソフトウェア機能案内:当該ソフトウェアの機能を案内

(3)操作設定案内:各ソフトウェアパッケージに収録したマニュアル(man) と Web ページの製品 マニュアルに記載されている操作、設定に関して案内

(4)障害解析:発生した障害に対してソフトウェアの動作確認、ログの調査を行い、調査結果を報告(ソースコードの解析やパケット解析、strace などのデバッグツールを使用した調査は含まず)

技術サポートの範囲は以下の表となります。

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インストールから各種サービスの設定、運用、障害対応まで、Linuxシステムの運用を安全に確実に行うためのサポートが得られます。

 

CentOS Linux 8からの移行ツールもサポート

MIRACLE LINUX 8.4ではCentOS Linux 8.0/8.1/8.2/8.3/8.4 からの移行ツールも無償で公開され、サポートサブスクリプションを購入すれば移行ツールも技術サポートの対象となります。既存のCentOS Linux 8のシステムをより確実にMIRACLE LINUX 8.4へ移行し、2030年1月まで長期間安定稼働することができるわけです。

 

参考情報

・MIRACLE LINUX 8.4についての詳細はこちらを参照ください。

・MIRACLE LINUXのサポートの詳細についてはこちらからお問い合わせください

・MIRACLE LINUXのMIRACLE LINUX 8.4のプレススリースはこちらを参照ください

 

*「OSライセンス無償」とは、ライセンス費用が無償であることを意味します。「MIRACLE LINUX」および「ミラクル・リナックス」はサイバートラスト株式会社の登録商標です。商標に関するライセンスは付与されません。