【4/10開催】「OpenStackの普及でどう変わる?クラウド時代の運用管理」セミナーレポート (前編)
「OpenStackの普及でどう変わる?クラウド時代の運用管理」開催報告
こんにちは、ミラクル・リナックス 椎名です。
さて、先日4月10日(金)に、「OpenStackの普及でどう変わる?クラウド時代の運用管理」と題して当社主催のセミナーを開催しました。
OpenStackの導入を検討されている方や、将来的にOpenStackを検討しようとされている方など、100名近くの多数のご参加をいただきました。ご来場いただきましたみなさま、どうもありがとうございました。
当日は、3つのセッションとパネルディスカッションの構成で、OpenStackの普及に付随するIT環境の変化や、OpenStackを使う上で欠かせない運用管理、複数のZabbixやNagiosを活用した統合監視、OSSの運用統合ソフト『Hatohol』を利用した運用方法および新機能などをお話ししました。また、パネルディスカッションでは、日本におけるOpenStackの活用推進や導入支援の先行企業であるNEC様と日本仮想化技術様、OpenStackを自社サービスで活用するエンドユーザー企業様を代表してサイバーエージェント様をゲストパネラーにお迎えし、OpenStackの活用や運用を語っていただきました。
「OpenStackの普及でどう変わる?クラウド時代の次の一手」
まず1つ目のセッションでは、「OpenStackの普及でどう変わる?クラウド時代の次の一手」として日本仮想化技術株式会社の玉置 伸行様に講演いただきました。詳しい内容はSlideshareで公開中の資料をご覧いただくとして、ポイントを絞ってご紹介します。
玉置さんは、オープンソースのクラウド基盤として注目を集めている「OpenStack とは?」といった解説にはじまり、OpenStack環境の運用上の課題を語ってくださいました。 日本でも通信キャリアなどでの検討が進み、OpenStackが「作る」から「動かす」に変わってきたとして、2015年を「OpenStack検討元年」とも言われていました。現状の課題としては、以下の四つが指摘されました。
- 管理対象のサーバが莫大である
- スケールアウトすることを前提にシステムが作られている
- 一人の管理者が多数のサーバを管理する現状で、運用の効率化が求められる
- 既存のやりかたでは運用コストの削減に繋がらない
運用効率化の課題については、環境構築や運用監視の自動化の必要性を提案されました。また、OpenStack環境の運用やOpenStack環境の監視・管理についても、今後考える事項として、障害検知方法の拡充や仮想ネットワークの監視・管理、リソース異常利用の検出などを挙げて、日本仮想化技術とミラクル・リナックス社 2社が協力して、OpenStack環境の運用上の課題を解決してゆくと締めくくってくれました。
「Hatohol 15.03リリース! Hatoholが変えるクラウド時代の運用管理」
二つ目のセッションでは、「Hatohol 15.03リリース! Hatoholが変えるクラウド時代の運用管理」と題して、当社の大和 一洋が講演しました。大和は、Project Hatoholのコミュニティ主要メンバーで開発者の一人でもあり、開発当初2012年末のコンセプト“複数Zabbixの統合”にはじまり、以降機能追加や開発が進み、現在の“運用管理の統合”に進化したHatoholでなにができるのかをご紹介しました。
実は、Hatoholでできることは、まさに玉置さんが提示された運用管理の課題解決にリンクしています。詳しい機能は是非、Hatoholの製品ページや大和の講演資料をご覧ください。
この他、実際にHatoholのデモをごらんいただき、最新版の「Hatohol 15.03」の新機能や今後の開発計画を発表しました。2015年度の強化ポイントとしては、例えばHatohol本体の改造なしで、ユーザーが新たな監視システムからのデータ取得用プラグインを作成できる“HAPI 2.0(拡張インターフェイス)”の策定や、AWS、Azureなどクラウド上のインスタンス監視・運用の強化、 UIの改善などを挙げています。
コミュニティ版のHatoholは、2013年6月に初めて一般公開されて以降、3カ月ごとにリリースされています。大和の発表した開発計画にもあるように、今後もOpenStackの普及に伴って変わって行くIT環境や、OpenStackを使う上で欠かせない運用管理の課題に対応するべく、実際の現場で必要とされる機能強化を進めて行きます。ご期待ください。
セミナー後半の内容は、また後編でレポートします。