CentOS 8 から移行された環境でアップデートに失敗する事象について
問題の概要
CentOS 8 から「MIRACLE LINUX 移行ツール」を用いて移行された環境の一部において、2022 年 10 月 19 日以降、dnf / yum コマンドによるシステムのアップデート時に以下のエラーメッセージを出力し、アップデートに失敗する可能性があります。
(日本語で表示される場合)
# dnf update : トランザクションの確認を実行中 エラー: トランザクションの確認 vs depsolve: system-release = 8.1 は (インストール済み)centos-repos-8.1-1.1911.0.8.el8.x86_64 に必要とされています 問題を診断するには実行してみてください: 'rpm -Va --nofiles --nodigest'. RPMDB を破損させたかもしれませんが、'rpm --rebuilddb' を実行することでこの問題を解決できる可能性があります。 ダウンロード済みのパッケージは、次の正常なトランザクションまでキャッシュに保存されました。 'dnf clean packages' を実行することでキャッシュパッケージを削除できます。
(英語で表示される場合)
# dnf update : Running transaction check Error: transaction check vs depsolve: system-release = 8.1 is needed by (installed) centos-repos-8.1-1.1911.0.8.el8.x86_64 To diagnose the problem, try running: 'rpm -Va --nofiles --nodigest'. You probably have corrupted RPMDB, running 'rpm --rebuilddb' might fix the issue. The downloaded packages were saved in cache until the next successful transaction. You can remove cached packages by executing 'dnf clean packages'.
影響を受ける環境
「MIRACLE LINUX 移行ツール」を利用して CentOS 8 から移行した環境において、2022 年 10 月 19 日以降に以下の操作を実施した場合に影響を受けます。
- 「通常の切り替えモード」を利用してCentOS 8 から移行された環境において、“dnf update” コマンド、もしくは “yum update” コマンドでシステム全体のアップデートを実施した場合
- 「通常の切り替えモード」、もしくは「最小限の切り替えモード」のいずれかを利用してCentOS 8 から移行された環境において、dnf もしくは yum コマンドで、miraclelinux-release パッケージ、もしくは当該パッケージに依存するパッケージのアップデート、もしくはインストールを実施した場合
対策
dnf もしくは yum コマンドでアップデートを実施する前に、以下のコマンドを実行し、centos-repos パッケージを削除してください。
# rpm -e centos-repos
なお、上記のコマンドの実行によって CentOS コミュニティが 2020 年 12 月まで提供していた標準リポジトリを参照するための設定ファイル (repo ファイル) は削除されますが、現時点では参照先となるリポジトリ自体が廃止されているためシステムへの影響はございません。
注意事項
- 本ドキュメントの内容は、予告なしに変更される場合があります。
- 本ドキュメントは限られた評価環境における検証結果をもとに作成しており、 全ての環境での動作を保証するものではありません。
- 本ドキュメントの内容に基づき、導入、設定、運用を行なったことにより損害が生じた場合でも、弊社はその損害についての責任を負いません。あくまでお客様のご判断にてご使用ください。
更新履歴
- 2022 年 11 月 07 日 新規作成
