MIRACLE LINUX 移行ツール
MIRACLE LINUX 8.4
■ 移行ツール実施前のご質問
Q. 移行ツール本体はどこから入手できますか?
Q. 以下 URL 内のファイルのうち、どのファイルが移行ツール本体ですか?
https://repo.dist.miraclelinux.net/miraclelinux/migration-tool/
A. migrate2ml.sh が現在の最新版の移行ツールとなります。
以下 URL より直接ダウンロードできますので、こちらからダウンロードのうえご利用ください。
https://repo.dist.miraclelinux.net/miraclelinux/migration-tool/migrate2ml.sh
Q. 2021 年 11 月に公開された CentOS 8.5.2111 からでも移行できますか?
A. はい。移行ツールによる移行が可能です。
Q. 移行ツールの変更履歴はありますか?
A. はい。以下 URL にて公開しております。
https://repo.dist.miraclelinux.net/miraclelinux/migration-tool/CHANGELOG_ja
Q. 移行ツール実行前に CentOS 8 を最新化する必要はありますか?
A. 現在お使いの CentOS 8 をアップデートしていただく必要はございません。
ただし、CentOS 8.0 上で systemd-239-13 ご利用の場合、移行ツール実行後 OS のシャットダウン、および再起動ができなくなる事象を確認しております。該当する環境をご利用の場合は、以下 URL の移行ツールマニュアル「既知の問題」欄の対処策をご確認ください。
https://www.cybertrust.co.jp/miraclelinux-license-free/docs/ml84-migrationtool-manual.pdf
■ 移行ツールの実行モードに関するご質問
Q. 移行ツールにはどのような実行モードがありますか?
A.移行ツールには以下の実行モードがあります。
- 「通常切り替えモード (core)」
dnf / yum コマンドが参照するリポジトリの切り替えに加え、OS 識別や CentOS の商標関連のパッケージを MIRACLE LINUX の情報へ置き換えます。
- 「最小限の切り替えモード (minimal)」
dnf / yum コマンドが参照するリポジトリの切り替えのみを行うモードです。
このモードは、今後の運用において指定したパッケージのみをアップデートし、その他のパッケージは基本的にアップデートしない運用を希望されるお客様にご利用いただくことを想定しております。
なお、このモードで移行された場合、CentOS の商標などに関連するパッケージを入れ替えていないことに起因して、abrt パッケージなど、一部のパッケージのアップデート時に依存関係を解決できずにエラーとなりますので、可能な限り「通常切り替えモード (core)」のご利用を検討ください。
- 「ブートローダーの再設定モード」
「最小限の切り替えモード (minimal)」によって移行を行った後、ブートローダー (grub2/shim) などを手動で更新した際に都度実行していただく、再設定のための実行モードとなります。
Q. 移行ツールはどのモードで実行すべきですか?
A.お客様のシステムにおいて特別なご要件がない限り、「通常切り替えモード (core)」による移行をお願いいたします。
「最小限の切り替えモード (minimal)」で移行された環境で、システム全体のアップデートを目的としてパッケージ名を指定せずに dnf update コマンドを実行すると依存関係の問題に起因するエラーが発生します。
また、abrt など一部のパッケージを個別に指定してアップデートした場合においても、依存関係を解決できずエラーが発生します。
なお、「最小限の切り替えモード(minimal)」にて移行された環境においてアップデート関連のエラーが発生した場合や、システム全体のアップデートを希望される場合には、有償サポートによる個別の対応が必要となります。
Q. 「最小限の切り替えモード (minimal)」で移行された場合の制約事項はありますか?
A. システム全体をアップデートすることはできません。
必ず dnf コマンドにパッケージ名を指定してアップデートしていただく必要があります。
アップデート対象のパッケージ名を指定せずに dnf update コマンドを実行した場合、一部のパッケージの依存関係の解決に失敗しエラーが発生します。
このため、必ず dnf コマンドにパッケージ名を指定してアップデートしていただく必要があります。
なお、パッケージ名を指定した場合においても、OS 識別や商標関連のパッケージに依存しているとアップデートに失敗することがあります。
このような事象が発生した場合の対応方法は、有償サポートにてご案内しております。
(「最小限の切り替えモード (minimal)」においてアップデートできないパッケージの事例)
- ABRT (Automatic Bug detection and Reporting Tool)
依存している libreport パッケージの依存関係の問題に起因して「最小限の切り替えモード (minimal)」で移行された場合、アップデートに失敗します。
※上記の事例は 2022 年 6 月 15 日現在の状況です。今後のアップデートパッケージの状態によって対象が変わることがあります。
Q. 移行ツール実施時にサーバーサービス等の停止は必要ですか?
A. Apache HTTP Server (httpd パッケージ) をご利用の場合、移行前の停止をお願いします。
「通常切り替えモード (core)」で移行する場合、Apache HTTP Server (httpd パッケージ) が依存している centos-indexhtml パッケージを miraclelinux-indexhtml パッケージに入れ替えます。このため、移行ツール実行前に httpd サービスを停止されることをお勧めいたします。
# systemctl stop httpd
その他のサーバーサービスの停止は不要です。
Q. 移行ツール実行後の OS 再起動は必要ですか?
A. 必須ではございませんが、再起動いただくことをお勧めいたします。
Q. 移行ツール実行時には、どのサイトに対しどのような通信を行いますか?
A. 以下 URL の当社リポジトリサイトに対して HTTPS 通信によるファイルのダウンロードを行います。
もしファイアウォール等によるアクセス制限を実施されている場合は、あらかじめ通信許可の設定をお願いいたします。
- アクセス先 URL: https://repo.dist.miraclelinux.net
- ポート番号: 443/TCP
Q. 移行ツールの実行における不具合事例はありますか?
Q. セキュアブート有効環境でも移行することはできますか?
A. セキュアブートが有効な場合、移行後 OS が起動しなくなる可能性があります。
CentOS 8 から移行した場合も含め、MIRACLE LINUX 8 ではセキュアブートに対応しておりません。
このため、もし現在お使いの環境においてセキュアブートをご利用の場合は、当該ツールの実行前に UEFI (BIOS) の設定メニューからセキュアブートの無効化をお願いいたします。
なお、セキュアブートは物理サーバーのほか、VMware 社の仮想基盤上でも有効化が可能です。
このため、VMware 社の仮想基盤をご利用の場合につきましても移行前の確認をお願いします。
■ 移行ツール実行後に関するご質問
Q. 移行ツール実行後、正しく移行ができたことを確認する方法がありますか?
A. dnf repolist コマンドにて確認いただくことが可能です。
正しく移行できた場合、dnf repolist コマンドを実行しますと以下の例のとおり "ML8-AppStream", "ML8-BaseOS" が追加されます。
また、CentOS コミュニティが提供するリポジトリは表示されなくなります。
# dnf repolist repo id repo の名前 ML8-AppStream MIRACLE LINUX - AppStream ML8-BaseOS MIRACLE LINUX - BaseOS
Q. 移行がうまくいかなかった場合の切り戻しの手順や方法はありますか?
A. 切り戻し手順や方法はございません。実行前にバックアップの採取をお願いいたします。
移行ツールでは切り戻しの手順や方法を準備しておりません。
このため、移行ツールによる移行作業の実施前にお使いの環境のバックアップなどを採取いただくなどの対処をお願いいたします。
また、移行ツールでは一部パッケージの入れ替えや設定ファイルの再生成など、ご利用の CentOS 8 環境を変更いたしますので、検証環境などを用いて十分に事前検証を実施いただきますようお願いいたします。
なお、移行ツールが途中で終了した場合には、続きから移行処理が再開できるようになっております。
Q. 切り替え前のCentOSバージョン情報を確認する手段はありますか?
A. /etc/migrate2ml/backup_release_file/centos-release から移行前の CentOS のバージョンをご確認いただけます
Q. 移行ツール実行後、MIRACLE LINUX のユーザー/製品登録は必要ですか?
A. いいえ。当社 Web サイトや書面等によるユーザー登録や、ツール等を用いた製品登録などの手続きは不要です。
■ 移行後のアップデートや運用に関するご質問
Q. MIRACLE LINUX のリポジトリから提供されるパッケージのアップデート情報はどのように入手すればよいですか?
A. 以下 URL の当社 TSN サイトにて都度公開しております。
https://tsn.miraclelinux.com/ja
上記 TSN サイトにて、CentOS 8 から移行されたマシンに適用可能なアップデートパッケージの確認する方法を以下に示します。
- サイト左上の「ERRATA」ボタンを押下してください。
- 「製品」欄を "- Any -" から "Asianux Server 8 for x86_64" に変更してください。
- 確認したいパッケージ名が分かる場合は、「検索」欄にパッケージ名を入力してください。
※パッケージ名の部分検索が可能です - 「Apply」ボタンを押下してください。
なお、有償サポートをご契約いただいたお客様には、ご契約時に登録いただいた技術連絡先のメールアドレスに対し、アップデート情報を都度配信しております。
Q. インターネットにアクセスできない環境においてアップデートパッケージを適用するためにはどうすればよいですか?
A. 以下の手順にて、インターネットに接続されたマシンからアップデートパッケージをダウンロードのうえ対象のサーバに適用してください。
まず、移行ツールをご利用いただき、MIRACLE LINUX 8 相当環境への移行をお願いいたします。
インターネット未接続環境において移行ツールを実行する方法は、移行ツールマニュアルの手順をご参照ください。
https://www.cybertrust.co.jp/miraclelinux-license-free/docs/ml84-migrationtool-manual.pdf
移行後は、当社 TSN サイトからアップデートを希望されるパッケージファイルをダウンロードしていただき、媒体等を用いて当該ファイルを対象のマシンに移動のうえ、当該パッケージファイルのインストールをお願いいたします。
- 当社 TSN サイト (https://tsn.miraclelinux.com/ja) へアクセスします
- 左上の「ERRATA」タブをクリックします
- 表示される一覧画面に、以下の内容を入力します
- 「検索」欄: 入手を希望されるパッケージ名を入力します。("bind" などすべて小文字で入力します)
- 「製品」欄: "Asianux Server 8 for x86_64" を選択します。 - 「Apply」ボタンをクリックします
クリックしていただくと、検索結果としてアップデートパッケージの一覧が表示されます。
このうち「題名」欄が bind となっているものが対象のアップデートパッケージとなります。 - 該当するアップデートパッケージの「エラータ ID」をクリックします
- 表示されるページから対象のパッケージをダウンロードします
ページ内の「Asianux Server 8 for x86_64」欄のリンクから、必要なアップデートパッケージのダウンロードをお願いいたします。 - ダウンロードいただいたパッケージを対象のマシンに格納してください
- 対象のマシンにログインし、以下のコマンドにてアップデートをしてください。
# dnf localinstall <手順 7 で移動されたパッケージファイル名>
※依存関係のあるパッケージは、スペース区切りで列挙します。
(実行例)# dnf localinstall openssl-1.0.2k-23.el7.x86_64.rpm \ openssl-libs-1.0.2k-23.el7.x86_64.rpm
なお、kernel など一部のパッケージでは、上記と手順が異なります。
これらのパッケージに対するアップデートの手順や、お客様の環境に沿ったアップデート手順は有償サポートにてご案内いたします。