MIRACLE ZBX 6.0 独自機能一覧
MIRACLE ZBX 6.0 独自機能一覧
- Webフロントエンド標準ロケールの日本語化
- グラフフォントの変更
- ランタイムコントロール
log_slow_queries
の追加 - 「障害」ページで障害発生時のヒストリを表示するオプションの追加
- Telnet監視で長いコマンドを実行したとき不要な文字が表示される問題の修正
- グラフをCSVとして出力する機能の追加
- メジャーバージョンアップデート時にDBの更新を進めるためのオプションの追加
- イベントログ監視の拡張機能eventlog_extキーの追加
- メンテナンス中の障害発生/復旧通知メールの挙動変更
- Windowsの
proc_info
キーにcpu_time
オプションの実装 - キーの長さが2048文字以上のアイテムはエラーとする修正の追加
- Web監視でヒストリとトレンドの保存期間の設定を可能にする機能を追加
- ログをSyslogに転送するときファシリティ
local0
~local7
を選択できる機能を追加 - Windowsエージェントへ
web.page.*
キーのサポートを追加 - MariaDBでヒストリとトレンドのテーブルに対しパーティショニングする機能を追加
- メンテナンス期間の開始日に「月末」~「月末から6日前」を指定できる機能の追加
- ランタイムコントロール
value_cache_reset
の追加 - ランタイムコントロール
discard_alerts
の追加 - 監査ログをSyslogへ転送する機能の追加
- Webフロントエンドユーザのパスワードハッシュ化関数のコストを設定する機能の追加
- Webフロントエンドユーザのパスワードのポリシーを設定する機能の追加
- 設定ファイル内のDBパスワードを暗号化する機能の追加
- ホスト・テンプレートに対するスナップショット機能の追加
Webフロントエンド標準ロケールの日本語化
MIRACLE ZBX WebフロントエンドでAdmin/guestユーザの標準の言語を日本語(ja_JP)に設定しています。
グラフフォントの変更
MIRACLE ZBX Webフロントエンドのグラフで使用するフォントをDejaVuSansからNotoSansCJKへ変更しています。
ランタイムコントロールlog_slow_queries
の追加
MIRACLE ZBXサーバ/プロキシのランタイムコントロールにlog_slow_queries
を追加しています。
サーバ/プロキシサービスの再起動なしに設定項目LogSlowQueries
の値を変更できます。
設定可能な値は1から3600000です。
# zabbix_server -R log_slow_queries=5000
「障害」ページで障害発生時のヒストリを表示するオプションの追加
MIRACLE ZBX Webフロントエンドの「監視データ」->「障害」ページで、 「障害発生時のヒストリを表示」オプションを追加しました。 このオプションが有効になった場合、各障害の列に「ヒストリ ログ」が追加され 障害が発生したアイテムIDとそのヒストリログが表示されます。
Telnet監視で長いコマンドを実行したとき不要な文字が表示される問題の修正
telnet.run
に長いコマンド文字列を渡して値を取得するとき、
出力に不要な文字列が含まれてしまう問題を修正しています
(ZBXNEXT-6653)。
グラフをCSVとして出力する機能の追加
ノーマルグラフと積算グラフをCSVとしてダウンロードできる機能を追加しています。 グラフ右上の「CSV」リンクをクリックすることでダウンロードできます。
メジャーバージョンアップデート時にDBの更新を進めるためのオプションの追加
MIRACLE ZBXサーバ/プロキシパッケージのメジャーバージョンアップデート後に
明示的にコマンドラインで-U
オプションを渡して実行しない限り
データベースのアップグレードがおこなわれないよう修正しています。
データベースのアップデートを進めるには次のように実行します。
# zabbix_server -f -U
ログを確認し、データベースのアップデートが完了したのちにあらためて
systemctl
コマンドからサービスを起動してください。
# systemctl start zabbix-server
イベントログ監視の拡張機能eventlog_extキーの追加
Windowsイベントログを監視するキーeventlog
を拡張した
eventlog_ext
キーを実装しています。
このキーはイベントログをグローバル正規表現をもとにフィルタできます。
また正規表現の条件式に「対象のイベントログを指定する」 「除外するイベントログを指定する」を追加しています。 この条件式によって、文字列や重要度、イベントソース、イベントIDをもとに イベントログをフィルタする正規表現を作成できます。
制限
eventlog_ext用の正規表現の条件式は正規表現の編集画面でテストできません。
メンテナンス中の障害発生/復旧通知メールの挙動変更
MIRACLE ZBXではメンテナンス中のホストで発生した障害や メンテナンス中のホストで復旧した障害の通知メールは メンテナンス期間が終了したのちに送信されるように実装を変更しています。
Windowsのproc_info
キーにcpu_time
オプションの実装
WindowsのMIRACLE ZBXエージェント/エージェント2にてproc_info
キーの第二引数に
cpu_time
を指定できます。このオプションによってCPU時間を計測できます。
キーの長さが2048文字以上のアイテムはエラーとする修正の追加
MIRACLE ZBXではキーの長さが2048文字以上のアイテムをZBX_NOTSUPPORTED
エラーとし
監視できないよう実装しています。
Web監視でヒストリとトレンドの保存期間の設定を可能にする機能を追加
Web監視の設定でヒストリとトレンドの保存期間をそれぞれ設定できるようになりました。
ログをSyslogに転送するときファシリティlocal0
~local7
を選択できる機能を追加
MIRACLE ZBX サーバ/プロキシ/エージェント/エージェント2でログをSyslogへ転送するとき
Syslogのファシリティをlocal0
~local7
まで選ぶことができるようになりました。
Windowsエージェントへweb.page.*
キーのサポートを追加
Windowsエージェント/エージェント2で次のキーを使ったアイテムの監視ができるようになりました。
web.page.get
web.page.perf
web.page.regexp
MariaDBでヒストリとトレンドのテーブルに対しパーティショニングする機能を追加
データベースにMariaDBを使用しているMIRACLE ZBXサーバにて、 以下のテーブルに対し自動でパーティショニングをする機能を追加しています。
history
history_log
history_str
history_text
history_uint
trends
trends_uint
メンテナンス期間の開始日に「月末」~「月末から6日前」を指定できる機能の追加
MIRACLE ZBX Webフロントエンドからメンテナンス期間の設定をおこなうさい、
期間のタイプに「毎月」を指定した場合、
日にちに-1
を設定すると当月の最終日(月末)として設定されます。
同様に-2
~-7
を設定すると
当月の月末から1~6日前までとして設定されます。
ランタイムコントロールvalue_cache_reset
の追加
MIRACLE ZBXサーバのランタイムコントロールにvalue_cache_reset
を追加しています。
バリューキャッシュをリセットできます。
ランタイムコントロールdiscard_alerts
の追加
MIRACLE ZBXサーバのランタイムコントロールにdiscard_alerts
を追加しています。
このランタイムコントロールにトリガーIDを渡して実行することで、
そのIDをもつトリガーが無効になります。
無効になったトリガーに紐づく障害はそのトリガーが有効になるまで「障害」ページに表示されません。
例としてトリガーID17656
のトリガーを無効にするには次のように実行します。
# zabbix_server -R discard_alerts=17656
このコマンドを引き続き実行することで複数のトリガーを無効にできます。 3つのトリガーID 17654~17656を無効にするには次のように連続して実行します。
# zabbix_server -R discard_alerts=17654
# zabbix_server -R discard_alerts=17655
# zabbix_server -R discard_alerts=17656
なお次のようにdiscard_alerts
オプションに複数の値を渡すことはできません。
# zabbix_server -R discard_alerts=17654,17655,17656
また値を渡さずに実行すると、現在このランタイムコントロールを通じて無効となった トリガーIDの一覧がログに出力されます。
# zabbix_server -R discard_alerts
トリガーIDにマイナス符号を付けて実行することで無効にしたトリガーIDのアクション実行の抑制を解除できます。 ランタイムコントロールによって無効にされたトリガーID 17654のアクション実行の抑制を解除するには、 次のように実行します。
# zabbix_server -R discard_alerts=-17654
トリガーを再び有効にするにはWebフロントエンドから操作してください。
監査ログをSyslogへ転送する機能の追加
MIRACLE ZBXサーバにて監査ログをSyslogへ転送できるようになっています。
この機能を有効にするには以下の設定ファイルを編集します。
ここではSyslogのファシリティはlocal2
、プライオリティはnotice
とします。
またWebサーバはApacheとします。
/etc/zabbix/zabbix_server.conf
AuditlogSyslog=1
AuditlogSyslogFacility=local2
AuditlogSyslogPriority=notice
/etc/zabbix/web/zabbix.conf.php
$AUDITLOG_SYSLOG = [
'FACILITY' => LOG_LOCAL2,
'PRIORITY' => LOG_NOTICE,
];
/etc/rsyslog.d/zabbix_auditlog.conf
local2.notice /var/log/zabbix/zabbix_audit.log
上記設定を追加したのちに各種サービスを再起動すると監査ログがSyslogへ転送されます。
# systemctl restart zabbix-server httpd php-fpm rsyslog
Webフロントエンドユーザのパスワードハッシュ化関数のコストを設定する機能の追加
MIRACLE ZBX Webフロントエンドのログインユーザのパスワードを内部でハッシュ化するさい、
コストパラメータの値を任意に設定可能な機能を追加しています。
設定は/etc/zabbix/web/zabbix.conf.php
で次のようにおこないます。
$BCRYPT_COST = 14;
Webフロントエンドユーザのパスワードのポリシーを設定する機能の追加
MIRACLE ZBX Webフロントエンドの管理者はログインユーザのパスワードポリシーを設定できます。
MIRACLE ZBX 6.0ではWebフロントエンドの「管理」->「認証」ページから パスワードの再利用制限回数と有効期間を設定できます。 「再利用制限」は1~9までの値を設定することで過去N回のうちに設定されたパスワードの 再設定を制限します。「有効期間」に1以上の値を設定した場合、その日数が パスワードの有効期間となります。
設定ファイル内のDBパスワードを暗号化する機能の追加
この機能はRHEL8以上のバージョンのRHEL系OSでのみ利用できます。
データベースのパスワードを暗号化してMIRACLE ZBXサーバおよびMIRACLE ZBX Webフロントエンドの設定ファイルに書くことができます。以下に例を示し ます。
暗号化されたパスワードの生成
はじめに暗号化に利用する値を生成します。
# openssl enc -aes256 -P -pbkdf2
enter aes-256-cbc encryption password: ← 鍵の暗号化パスワードを入力
Verifying - enter aes-256-cbc encryption password: ←再度入力
salt=E02C4DF2516FBE46
key=EE6B4154381A239D3E3B1470D25C306B26247EC3864FD604EBB22793A06CEF1C
iv =DDB74FFC0AB2747BFB2BF6BB0E368775
出力内容 | 説明 |
---|---|
salt=E02C4DF2516FBE46 |
使用しません |
key=EE6B4154381A239D3E3B1470D25C306B26247EC3864FD604EBB22793A06CEF1C |
復号に用いる鍵です |
iv =DDB74FFC0AB2747BFB2BF6BB0E368775 |
復号に用いる初期化ベクトルです |
次に設定ファイルに書くべき暗号化されたパスワードを生成します。
# echo -n 平文のパスワード | openssl enc -aes256 -e -a -K <鍵> -iv <初期化ベクトル>
K71lagZLFO/dSxoNiD5rBg==
ここで生成されたK71lagZLFO/dSxoNiD5rBg==
を平文パスワードの代わりにzabbix_server.conf
やzabbix.conf.php
へ書きます。
復号の設定 1/3 /etc/zabbix/.db_password.key
上記で生成した値をもとに/etc/zabbix/.db_password.key
を以下の内容で作成します。
key=EE6B4154381A239D3E3B1470D25C306B26247EC3864FD604EBB22793A06CEF1C
iv=DDB74FFC0AB2747BFB2BF6BB0E368775
各パラメータと説明は次のとおりです。1行に1つのエントリを記載します。順序は問いません。
「=
」の前後にスペースはつけず、「=
」の右側の値はシングルクオートやダブルクオートで囲わないでください。
パラメータ | 説明 |
---|---|
key | 復号に使う鍵を記載します |
iv | 復号に使う初期化ベクトルを記載します |
復号の設定 2/3 /etc/zabbix/zabbix_server.conf
/etc/zabbix/zabbix_server.conf
を設定します。DBPassword
には暗号化されたパスワードを、DBPasswordKey
に は「復号の設定 1/3」で作成したファイルのパスを設定します。この例では次のようになります。
DBPassword=K71lagZLFO/dSxoNiD5rBg==
DBPasswordKey=/etc/zabbix/.db_password.key
復号の設定 3/3 /etc/zabbix/web/zabbix.conf.php
/etc/zabbix/web/zabbix.conf.php
を設定します。$DB['PASSWORD']
には暗号化されたパスワードを、$DB['PASSWORD_KEY']には「復号の設定 1/3」で作成したファイルのパスを設定します。この例では次のようになります。
$DB['PASSWORD'] = 'K71lagZLFO/dSxoNiD5rBg==';
$DB['PASSWORD_KEY'] = '/etc/zabbix/.db_password.key';
サービスの再起動
すべて設定したあとは各サービスを再起動します。
# systemctl restart zabbix-server php-fpm
ホスト・テンプレートに対するスナップショット機能の追加
Webフロントエンドからホストもしくはテンプレートのスナップショットを取得・復元できます。
ここではホストのスナップショットについて使い方を説明します。テンプレートのスナップショットについても同様に操作できます。
この機能を使うとホストやテンプレート設定のエクスポートおよびインポートをWebフロントエンド上で簡易的に操作し、監視の停止を伴わずに設定の保存・復元ができるようになります。
スナップショットに必要な権限
スナップショット機能はデフォルトの「Super admin role」ロールを付与したユーザーのみアクセス可能です。
スナップショットの取得
MIRACLE ZBX Webフロントエンドの「設定」→「ホスト」もしくは「テンプレート」ページの右上に「スナップショット」ボタンが新設されています。
取得したいホストをフィルターした状態で「スナップショット」ボタンを押すことでフィルター中のすべてのホストをスナップショットとして保存できます。2ページ目以降に表示されるホストも含め、フィルターにマッチするすべてのホストが対象となります。ホストをエクスポートしたものと同等の内容がスナップショットとして保存されます。
スナップショットの管理と復元
MIRACLE ZBX Webフロントエンドの「設定」→「スナップショット」→「ホスト」もしくは「テンプレート」ページが新設されています。
取得したスナップショットの一覧を確認できます。
スナップショットを削除するには、一覧ページで削除したいスナップショットのチェックボックスを選択し、表の下にある「削除」ボタンを押してください。個別のスナップショットページにある「削除」ボタンからも削除できます。
個別のスナップショットページでは、スナップショット名や説明の編集・スナップショットの復元・スナップショットに含まれるホスト一覧の確認ができます。
スナップショットを復元するには、復元したいスナップショットの個別ページで「スナップショットの復元」ボタンを押してください。復元はスナップショットとして保存されているホストをインポートしたのと同等の動作となります。
PHPのメモリ上限の調整
スナップショットを取得するさい、デフォルトのPHPメモリ割当サイズではメモリ不足になる場合があります。スナップショットの取得時に「PHPのメモリ制限の設定を確認してください」というエラーが出る場合はメモリ不足になっていないかを確認してください。メモリが不足している場合は/var/log/httpd/error_log
または/var/log/http/ssl_error_log
に次のようなエラーメッセージが記録されます。
AH01071: Got error 'PHP message: PHP Fatal error: Allowed memory size of 〜 bytes exhausted (tried to allocate 〜 bytes) in 〜
メモリ不足でエラーになっている場合は/etc/php-fpm.d/zabbix.conf
ファイルを編集してPHPのメモリ上限を増やしてください。
php_value[memory_limit]
設定の変更後はphp-fpmを再起動してください。
# systemctl restart php-fpm