MIRACLE LINUX 9 自動アップデートツール利用ガイド
はじめに
このドキュメントは、MIRACLE LINUX 9におけるパッケージアップデートツールについて記述します。MIRACLE LINUX 9 では、自動アップデートツールとして「dnf」をご利用いただけます。
※画面または、表示イメージについては、一部実際とは異なる場合があります。
dnf コマンドの基本
dnf を使用するには、dnf コマンドを使用します。基本的な書式は以下です。
# dnf [オプション] [コマンド] [パッケージ名]
RPMDB、リポジトリあるいは両方にあるパッケージの一覧を表示する。
# dnf list
インストール可能なパッケージの一覧を表示する。
# dnf list --available
アップデート可能なパッケージの一覧を表示する。
# dnf list --upgrade
個別にパッケージのインストールを行う。(例: tftp パッケージ)
# dnf install tftp
システムにインストールされているすべてのパッケージのアップデートを行う。
# dnf upgrade
個別にパッケージのアップデートを行う。(例: tftp パッケージ)
# dnf upgrade tftp
個別にパッケージの削除(アンインストール)を行う。(例: tftp パッケージ)
# dnf remove tftp
dnf コマンドの使用例
tftp パッケージのアップデートを例に dnf コマンドの実行の流れについて説明します。
(1) tftp パッケージのアップデートを行うには、以下のようにコマンドを実行します。
# dnf upgrade tftp
パッケージの検索や依存関係の解決などが行われた後、これから行う処理の内容が表示されます。処理内容に問題がない場合は [y] を入力し、[Enter] キーを押下します。
==============================================================
パッケージ
Arch バージョン リポジトリー サイズ
==============================================================
アップグレード:
tftp x86_64 5.2-35.el9 9-latest-AppStream 32 k
トランザクションの概要
==============================================================
アップグレード 1 パッケージ
ダウンロードサイズの合計: 53 k
これでよろしいですか? [y/N]: y
(2) tftp パッケージのダウンロードとアップデートが行われます。
トランザクションの確認を実行中
トランザクションの確認に成功しました。
トランザクションのテストを実行中
トランザクションのテストに成功しました。
トランザクションを実行中
準備 : 1/1
アップグレード中 : tftp-5.2-35.el9.x86_64 1/2
整理 : tftp-5.2-35.el9.x86_64 2/2
検証 : tftp-5.2-35.el9.x86_64 1/2
検証 : tftp-5.2-35.el9.x86_64 2/2
アップグレード済み:
tftp-5.2-35.el9.x86_64
完了しました!
※注意事項
初回使用時は GPG キーを取り込む確認が行われます。[y] を入力し、[Enter] キーを押下してください。
GPG 鍵 0x34D5BD27 をインポート中:
Userid : "MIRACLE LINUX (MIRACLE LINUX packager) <ml-packager@miraclelinux.com>"
Fingerprint: F6D7 CF9A 43C0 B133 3ECF E86F 580C 864F 34D5 BD27
From : /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY
これでよろしいですか? [y/N]:
インストール DVD を dnf リポジトリにする
インストール DVD を dnf リポジトリに設定することで、インストール DVD に収録されているパッケージのインストールやアップデートを、dnf コマンドを使用して行うことが可能です。以下に手順を示します。
(1) インストール DVD をマウントします。
# mkdir -p /media/cdrom
# mount -t iso9660 -o loop /dev/sr0 /media/cdrom
(2) リポジトリファイルを作成します。
設定ファイル: /etc/yum.repos.d/media.repo
[InstallMedia-BaseOS]
name=MIRACLE LINUX 9 - BaseOS
metadata_expire=-1
gpgcheck=1
enabled=1
baseurl=file:///media/cdrom/BaseOS/
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY
[InstallMedia-AppStream]
name=MIRACLE LINUX 9 - AppStream
metadata_expire=-1
gpgcheck=1
enabled=1
baseurl=file:///media/cdrom/AppStream/
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY
「baseurl」 にはインストール DVD のマウントポイントに合わせて”file:///マウントポイント/BaseOS”と”file:///マウントポイント/AppStream”を指定します。「enabled」 には 1 (=有効)もしくは 0 (=無効)を指定します。
パッケージは、BaseOS/Packages, AppStream/Packages に格納されています。BaseOS, AppStream それぞれの設定が必要となります。
(3) リポジトリファイルを作成後、「dnf」コマンドを使用してパッケージの追加やアップデート等が行えます。
グループ単位でインストールをする
各パッケージはグループに分けられています。 group list --ids コマンドでそのグループの一覧が確認できます。
# dnf group list --ids
利用可能な環境グループ:
サーバー (GUI 使用) (graphical-server-environment)
サーバー (server-product-environment)
ワークステーション (workstation-product-environment)
カスタムオペレーティングシステム (custom-environment)
仮想化ホスト (virtualization-host-environment)
...
各グループに含まれているパッケージを確認するには、group infoコマンドで確認ができます。以下は network-server グループの例です。
# dnf group info network-server
グループ: ネットワークサーバー
説明: これらのパッケージには、DHCP、Kerberos、NIS などの ネットワークベースのサーバーが含まれています。
オプション パッケージ:
dhcp-server
dnsmasq
freeradius
frr
idn2
krb5-server
libreswan
...
グループ単位でインストールするには group install オプションを使用します。
# dnf group install network-server
グループ単位でアップデートするには group upgrade オプションを使用します。
# dnf group upgrade network-server
キャッシュを作成する
以下に示すように makecache オプションを実行すると、現在有効な dnf リポジトリのメタデータを事前にキャッシュとして保持することができます。
# dnf makecache
9-latest-BaseOS 3.3 MB/s | 3.3 kB 00:00
9-latest-AppStream 3.3 MB/s | 3.3 kB 00:00
メタデータキャッシュを作成しました
プロキシの設定
プロキシサーバーを利用する場合は/etc/dnf/dnf.confに以下のようにmainセクションのproxyの項目を設定してください。
[main]
gpgcheck=1
installonly_limit=3
clean_requirements_on_remove=True
best=True
skip_if_unavailable=False
proxy=http://<host>:<port>
補足事項
自動アップデートツール (dnf) は以下のサーバーへ接続します。当該ポート番号の通信をファイアウォール等の設定で許可してください。
repo.dist.miraclelinux.net:443
更新履歴
2022年 11月1日 新規作成