kickstartスクリプトからTSNへ登録する方法
本ドキュメントの対象となる製品
- MIRACLE LINUX 8 Asianux Inside for x86_64 (64bit)
概要
MIRACLE LINUX 8から、インストーラーから自動でTSNへ登録できるようになりました。新たに提供される tsnreg_ks コマンドを用いることで、 axtsn_register からの登録以外にも、kickstart ファイルに必要事項を追記しておくことで新しいシステムを自動でプロビジョニング、更新、運用できます。
この機能は axtsn-client-tools のバージョン 2.0.2-8.0.6 からご利用いただけます。
kickstart スクリプトから tsnreg_ks を実行する場合
インストール時にネットワークの構成を設定し、インターネットへのアクセスが有効であれば、既存の kickstart スクリプトの %post セクションに tsnreg_ks を呼び出す設定を追記することで、インストール直後に自動で登録が行われます。
まずは tsnreg_ks の使い方を見てみましょう。
tsnreg_ks --username <username> \ --password <password> \ --productkey <product-key> \ --systemname <system-name>
- --username と --password で指定するのはそれぞれお客様が users.miraclelinux.com で登録したユーザー名とパスワードです。パスワードに記号が含まれる場合は、適切にシングルクオートで囲む必要があります。
- --productkey で指定するのはライセンスに紐付いたプロダクトキーです。
- --systemname で登録対象となるシステムの名前を指定します。--systemname 引数を省いた場合は、システムの FQDN がシステム名として登録されます。
お客様の情報を入れたコマンドを kickstart の %post セクションに追記すると、インストーラーはインストールが終わった後、--systemname で指定されたシステム名をTSNへ登録します。例えば以下のように追記します。
kickstart の設定例:
%post tsnreg_ks --username miracle-chan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror' # 他のコマンド %end
※ 上記の username, password, productkey, systemname はサンプルです。以下同様。
プロキシ設定
環境によってWebプロキシを使用する必要がありますが、ほとんどのコマンドと同様に、tsnreg_ks は環境変数に指定したプロキシ設定を認識してサーバーへ接続します。以下の環境変数にプロキシ設定が指定できます。
HTTP_PROXY、http_proxy |
HTTPプロトコルに利用されるプロキシ |
HTTPS_PROXY、https_proxy |
HTTPSプロトコルに利用されるプロキシ |
ALL_PROXY |
すべてのプロトコルに利用されるプロキシ |
exportビルトインで指定すると、プロキシ設定はexport行以下のすべてのコマンドに渡されます。
export HTTPS_PROXY="proxy.example.net:8443" tsnreg_ks --username miraclechan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror'
プロキシ設定を tsnreg_ksのみに指定したい場合は、以下のようにプレフィックスとしてtsnreg_ksのみに渡します。
HTTPS_PROXY="proxy.example.net:8443" tsnreg_ks \ --username miraclechan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror'
プロキシのユーザ認証が必要な場合は、以下のようにユーザ名とパスワードを指定します。
export HTTPS_PROXY="https://user:password@proxy.example.net:8443" tsnreg_ks --username miraclechan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror'
シェルから tsnreg_ks を実行する場合
tsnreg_ks コマンドは kickstart のニーズを考慮して作られた物ですが、kickstart 以外にも、シェルスクリプトから呼び出したり、コマンドラインで指定して実行することもできます。
シェルからの実行例:
# tsnreg_ks --username miraclechan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror'
kickstart スクリプトの例
cdrom graphical firstboot --enable keyboard --vckeymap=jp --xlayouts='jp' lang ja_JP.UTF-8 network --device=link --bootproto=dhcp --activate network --hostname=ml8sp1 rootpw 'Ey0^"96$H;?#RASb' auth --enableshadow --passalgo=sha512 timezone Asia/Tokyo --utc autopart --type=lvm clearpart --all bootloader --location=mbr %packages @server %end %post tsnreg_ks --username miraclechan --password '1#3$two~!!' \ --productkey 11111-22222-33333-44444-55555 \ --systemname 'mirror' %end