kdump の設定(MIRACLE LINUX 8)
本ドキュメントの対象となる製品
- MIRACLE LINUX 8 Asianux Inside
- MIRACLE LINUX 8.4
- MIRACLE LINUX 8.6
- MIRACLE LINUX 8.8
- MIRACLE LINUX 8.10
- MIRACLE LINUX 9
- MIRACLE LINUX 9.2
- MIRACLE LINUX 9.4
概要
kdump は、カーネルダンプを取得するためのツールです。ダンプ情報をクラッシュしたカーネルから取得するのではなく、新しく起動したカーネルから取得するため、信頼性の高いカーネルダンプを取得することができます。本ドキュメントでは、kdump の設定方法について説明します。
注意事項
kdump 用に確保するメモリーは、使用可能な物理メモリーの合計によって変わります。
【使用可能な物理メモリーに対する kdump 用に確保するために必要なメモリー】
1GB から 4GB の場合:192MB
4GB から64GB の場合:256MB
64GB 以上の場合:512MB
kdump のメモリー使用量の設定方法
- /etc/default/grub を編集します。
- crashkernel= オプションを設定します。192MB に設定したい場合は、
crashkernel=192M
とします。もしくは、インストールされているメモリーの合計量に応じて、予約メモリーサイズを変数に設定することも可能です。変数へのメモリー予約の構文は crashkernel=<range1>:<size1>,<range2>:<size2> です。以下に例を示します。
crashkernel=512M-2G:64M,2G-:192M
上記の例では、システムメモリーの合計量が512 MB から 2 GB の場合:64 MB のメモリーが予約されます。メモリーの合計容量が 2 GB を超える場合は、192 MB のメモリーが予約されます。
- 次のコマンドを実行し、GRUB 設定ファイルを更新します。
# grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
kdump の有効・無効を設定する方法
Asianux Server 7 == MIRACLE LINUX V7 以降の製品では、インストール時にデフォルトで kdump が有効となっています。インストール時に kdump を無効にしたい場合は、インストールメニューから、kdump を無効に設定します。インストール後に、kdump の有効・無効の設定を行いたい場合は、以下のコマンドを実行します。
kdump を有効にしたい場合
# systemctl enable kdump.service
# systemctl start kdump.service
kdump を無効にしたい場合
# systemctl disable kdump.service
# systemctl stop kdump.service
cockpit のインストール
Web コンソールを有効にするため cockpit をインストールし、cockpit サービスを起動します。
# dnf install cockpit
# systemctl start cockpit
kdump の設定
Webブラウザを起動し、http://localhost:9090 にアクセスし、管理者権限を持つユーザー名とパスワードでログインします。
ログインできたら、左側のメニューから「カーネルダンプ」をクリックします。
「クラッシュダンプの場所」をクリックすると、カーネルダンプの保存先を種類や保存先のフォルダを指定することができます。保存先にはローカルファイルシステムのほか、NFSまたはSSHを経由してネットワーク経由で送信することができます。
動作確認方法
kdump が正しく動作するか確認するため、以下の手順で故意にシステムをクラッシュさせます。
注意: 以下の操作を実行するとカーネルがクラッシュします。実行する際は十分に注意してください。
[設定のテスト]→[クラッシュシステム] をクリックすると、故意にシステムをクラッシュさせることができます。
クラッシュ後、kdump カーネルが立ち上がり、クラッシュしたカーネルダンプを記録した後、通常のカーネルで再起動します。カーネルダンプは、[クラッシュダンプの場所]内の[フォルダー] で指定した場所に保存されます。
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