SELinux 環境下での設定 (内部バージョンが 5.1.1-1 以前の場合)
はじめに
SELinux を有効 (Enforcing) にした環境で CLUSTERPRO を使用する場合、CLUSTERPRO のドライバ (カーネルモジュール) のロードを事前に許可する設定が必要となります。
本ページでは、その設定方法を説明します。
なお、本手順は CLUSTERPRO の内部バージョンが 5.1.1-1 以前の場合の手順となります。CLUSTERPRO では脆弱性対策が行われたバージョンが既にリリースされておりますので、新規のインストールをご検討のお客様におかれましては、そちらのご利用および『SELinux 環境下での設定 (内部バージョンが 5.1.2-1 以降の場合)』の実施をお願いいたします。
事前準備
SELinux のポリシーファイルを作成するために必要なパッケージ、およびその依存パッケージをインストールします。すでにインストールされている場合、この手順は必要ありません。
# dnf install selinux-policy-mls selinux-policy-devel -y
ポリシーファイルの作成
作業用ディレクトリを作成し、そのディレクトリ内でポリシーファイルを作成します。
# mkdir /tmp/te # cd /tmp/te
CLUSTERPRO のドライバ毎に、ポリシーファイルを作成するため vi などのエディタを用いて、作業ディレクトリ内に以下の内容で .te ファイルを作成します。
clpka.ko ドライバ用の .te ファイル clpka.te
# clpka.te module clpka 1.0; require { type unconfined_service_t; type usr_t; class system module_load; } #============= unconfined_service_t ============== allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
clpkhb.ko ドライバ用の .te ファイル clpkhb.te
# clpkhb.te module clpkhb 1.0; require { type unconfined_service_t; type usr_t; class system module_load; } #============= unconfined_service_t ============== allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
liscal.ko ドライバ用の .te ファイル liscal.te (※ clusterprosss, miracle-failsafe インストール環境では作成不要)
# liscal.te module liscal 1.0; require { type usr_t; type unconfined_service_t; class system module_load; } #============= unconfined_service_t ============== allow unconfined_service_t usr_t:system module_load;
作業ディレクトリ内で以下のように make
コマンドを実行し、ポリシーファイルを作成します。
# make -f /usr/share/selinux/devel/Makefile
作成したポリシーファイルを semodule
コマンドでインストールします。(※ clusterprosss, miracle-failsafe インストール環境では、liscal.pp のインストールは不要です。)
# semodule -i clpka.pp clpkhb.pp liscal.pp
semodule
コマンドで SELinux ポリシーファイルがインストールされていることを確認します。
# semodule -l
クラスタ生成後に、必要なドライバがロードされていることを確認します。
# lsmod | grep -E "clp|liscal"
- clpka は、ユーザ空間モニタリソースの監視方法として、keepalive を指定している場合に、クラスタ開始時にロードされます。 また、シャットダウン監視の監視方法として keepalive を指定している場合に、シャットダウン監視開始時にロードされます。
- clpkhb は、インタコネクトにカーネルハートビートを設定している場合や、clpka を使用する場合に、ロードされます。
- liscal は、ミラーディスクリソースやハイブリッドディスクリソースが設定されている場合に、ロードされます。
参考情報
インストールについての詳細は、MIRACLE CLUSTERPRO X に関しては、『CLUSTERPRO X インストール & 設定ガイド』を、SingleServerSafe と MIRACLE FailSafe に関しては、『CLUSTERPRO X SingleServerSafe インストールガイド』をご参照ください。