CentOS 7 の標準リポジトリの停止について
概要
CentOS Project から CentOS 7 向けに提供されていた標準、およびミラーサイトのリポジトリによるパッケージの提供が、2024 年 7 月 1 日(月) に停止されたことを確認いたしました。
この停止に伴い、以下の影響が生じていることを確認しております。
- 2024 年 6 月 30 日時点の最終バージョンのパッケージへのアップデート、および新規のパッケージのインストールができません。
- 本サポートサービスで提供するアップデートパッケージの適用ができません。
(オフライン環境下で rpm コマンドを用いて適用する場合は除きます。) - 「Linux 延長サポート for CentOS 7」のインストールスクリプトの実行に失敗します。
(実行に失敗するインストールスクリプトは、2024 年 8 月 1 日以前にダウンロードされたものが対象となります。)
つきましては、上記の事象に対する対処方法をご案内いたします。
なお、「Linux 延長サポート for CentOS」では、事前にご案内いたしましたとおり以下に示す対処をインストールスクリプトで実施できるよう改修したものを 2024 年 8 月 2 日よりご契約者様へ公開しており、同日ご契約時に登録いただいた技術連絡先メールアドレスへ入手方法等をご案内いたしております。
※ 2024/08/06 更新
CentOS 7 アーカイブリポジトリへの切り替え手順
以下に CentOS Project の標準の YUM リポジトリのアーカイブサイト (vault.centos.org) への切り替え手順を示します。
なお、以下の手順は CentOS を既定の設定でインストールした環境を前提とした一般的な手順となります。お客様の環境によっては以下の手順でアップデートできない可能性もあることをあらかじめご了承ください。
また、お客様の環境に沿ったアップデート手順がご不明な場合は技術サポートとして対処方法をご案内いたしますので当社サポート窓口までお問い合わせください。
手順 1) 既存の CentOS 標準 YUM リポジトリの設定ファイルをバックアップします。
/etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo ファイルを任意のディレクトリに退避します。
(バックアップする場合の例)
手順 2) 既存の CentOS 標準 YUM リポジトリの設定ファイルの参照先 URL を変更します。
vi コマンドなどを用いて /etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo ファイルの以下の箇所を変更します。
- mirrorlist 行の冒頭に # を記載し、該当行をコメントアウトする。
- #baseurl 行冒頭の # を削除し、該当行のコメントアウトを解除する。
- baseurl 行の参照先サーバーを “mirror.centos.org” から “vault.centos.org” に変更する。
(/etc/yum.repos.d/CentOS-Base.repo ファイル : 変更後の例)
#
# The mirror system uses the connecting IP address of the client and the
# update status of each mirror to pick mirrors that are updated to and
# geographically close to the client. You should use this for CentOS updates
# unless you are manually picking other mirrors.
#
# If the mirrorlist= does not work for you, as a fall back you can try the
# remarked out baseurl= line instead.
#
#
[base]
name=CentOS-$releasever - Base
#mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=os&infra=$infra
※ 冒頭に # を記載し、mirrorlist 行をコメントアウトします。
baseurl=http://vault.centos.org/centos/$releasever/os/$basearch/
※ 冒頭の # を削除のうえ、参照先サーバーを vault.centos.org に変更します。
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-7
#released updates
[updates]
name=CentOS-$releasever - Updates
#mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=updates&infra=$infra
※ 冒頭に # を記載し、mirrorlist 行をコメントアウトします。
baseurl=http://vault.centos.org/centos/$releasever/updates/$basearch/
※ 冒頭の # を削除のうえ、参照先サーバーを vault.centos.org に変更します。
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-7
#additional packages that may be useful
[extras]
name=CentOS-$releasever - Extras
#mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=extras&infra=$infra
※ 冒頭に # を記載し、mirrorlist 行をコメントアウトします。
baseurl=http://vault.centos.org/centos/$releasever/extras/$basearch/
※ 冒頭の # を削除のうえ、参照先サーバーを vault.centos.org に変更します。
gpgcheck=1
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-7
#additional packages that extend functionality of existing packages
[centosplus]
name=CentOS-$releasever - Plus
#mirrorlist=http://mirrorlist.centos.org/?release=$releasever&arch=$basearch&repo=centosplus&infra=$infra
※ 冒頭に # を記載し、mirrorlist 行をコメントアウトします。
baseurl=http://vault.centos.org/centos/$releasever/centosplus/$basearch/
※ 冒頭の # を削除のうえ、参照先サーバーを vault.centos.org に変更します。
gpgcheck=1
enabled=0
gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-CentOS-7
手順 3) YUM リポジトリのキャッシュファイルをクリアします。
以下のコマンドで yum コマンドのキャッシュデータを一度消去します。
手順 4) アーカイブサイトを参照できていることを確認します。
以下のコマンドで yum コマンドが認識しているリポジトリの確認を行います。
この結果、以下の状態になることを確認してください。
- 以下 3 つのリポジトリが認識されること
- 状態欄に利用可能なパッケージ数が表示されること
- 明らかなエラーメッセージが表示されないこと
Loaded plugins: fastestmirror
Loading mirror speeds from cached hostfile
repo id repo name status
base/7/x86_64 CentOS-7 - Base 10,072
extras/7/x86_64 CentOS-7 - Extras 526
updates/7/x86_64 CentOS-7 - Updates 6,173
repolist: 16,771
※表示されるパッケージ数はお客様の環境や実行タイミングによって変化します。
上記が確認できた場合は、CentOS 自体のアップデートや新規のソフトウェアのインストール、および、「Linux 延長サポート for CentOS」のインストールスクリプトを実行いただけます。