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■ MIRACLE LINUX V4.0 SP1 とはMIRACLE LINUX V4.0 SP1 (以降 ML40SP1) は、MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside や MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside for x86-64 (以降 ML40) に追加インストールすることで、OS の性能向上やハードウェアの新規対応を実現します。ML40SP1 には、2006年7月3日までに公開されているセキュリティアップデートやバグフィックス・機能強化されたパッケージが含まれており、それぞれ個別に実行しなければならなかったパッケージのアップデート作業負担を削減できます。 ML40SP1 にはアーテキテクチャ別に IA32 版と x86-64 版が存在し、それぞれ MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside と MIRACLE LINUX V4.0 - Asianux Inside for x86-64 に対応していますが、導入方法は変わらないためこのガイドではまとめて解説します。 また、ML40SP1 では以下の機能が新規に提供されます。なお、これらのパッケージは ML40SP1 専用インストーラではインストールされないため、ML40SP1適用後、CD-ROM から別途導入してください。詳細な導入方法については、「新機能の導入」をご参照ください。
ML40SP1 に収録されているパッケージ一覧は、以下を参照ください。 ※注意事項 ML40SP1 では、以下の不具合が報告されています。詳細は、「ML40SP1 適用注意事項」を参照ください。
■ MD5SUM の確認方法インストール前に、必ずダウンロードしたものが正しいかどうかを以下の手順にしたがって検証して下さい。 手順.ISO イメージが置かれているディレクトリに移動して下さい。 ※以下は、ISO イメージを置いたディレクトリが /tmp であるものとして説明します。 IA32 版
x86-64 版
表示された値が、各 ISO イメージのダウンロードリンクの隣にある MD5SUM 値と一致すれば、ダウンロードは成功しています。 以上でイメージの検証作業は終了です。 ISO イメージの利用方法Web サイトで公開している ML40SP1 は、ISO イメージ形式で提供しております。この ISO イメージを利用するには以下の二通りの方法があります。
ML40SP1 のインストール方法ML40SP1 はブータブル CD ではありません。ML40SP1 をご利用になられるには、まず ML40 をインストールしてから専用インストーラで ML40SP1 を適用していただくことになります。 ML40SP1 には、グラフィックとテキストの二種類のインストーラが用意されています。グラフィックインストーラは X Window をご利用時に、テキストインストーラはそれ以外の場合に使用します。以下の例では、CD-ROM ドライブのマウント先に /media/cdrom を指定していますが、CD Recorder をご利用の場合は使用するディレクトリを /media/cdrecorder に適宜変更してください。 グラフィックモードグラフィカルモード運用時は CD-ROM が自動マウントされ、インストーラが起動します。もし起動しない場合は、CD イメージをマウント後、以下のコマンドを実行してインストーラを起動してください。
起動すると、以下の画面が表示されます。「次へ」を選択して先に進みます。 「次へ」を選択するとインストールの種類を選択できます。大分類では「アップグレード」と「カスタムインストール」の二種類が選択でき、「アップグレード」ではアップデートされるパッケージが自動的に選択されるのに対し、「カスタムインストール」ではそれぞれのパッケージに対して更新するのか、個別に選択することが可能です。 「アップグレード」ではアップデート対象のパッケージがさらに三項目に分類されており、アップデートしたいパッケージのセットを選択することが出来ます。小項目の意味は以下のとおりです。
また、「カスタムインストール」のラジオボタンを選択することで、アップデートするパッケージのカスタマイズを行うことも可能です。「カスタムインストール」を選択した場合は、次の画面でアップデートしたいパッケージを選択後、「インストール」ボタンを押してください。 パッケージの選択が終わったら、インストールに進みます。 選択されたパッケージの組み合わせによっては、依存性解決のために他のパッケージを必要とする場合があります。必要とされるパッケージのリストが警告ダイアログの中に現れますので、問題がなかったら先に進んでください。 一枚目の CD-ROM からのパッケージアップデートが終了すると二枚目のCD-ROMを要求されるので、CD-ROM ドライブに二枚目を挿入し、OK ボタンを押してください。なお、選択されたパッケージによっては、このメッセージが表示されない場合もあります。 ISO イメージをマウントしている場合は、ターミナルから mount コマンドを実行して二枚目の ISO イメージをマウントしてから「はい」ボタンを押してください。
無事に終了すると、以下の画面が表示されます。終了ボタンをクリックするとインストーラが終了します。SP1カーネルで起動するには、システムを再起動してください。 再起動後、uname -r を実行することで、ML40SP1 カーネルで起動しているかどうかが確認できます。ML40SP1 カーネルのリリースは、「2.6.9-34.21AX」となります。
テキストモードML40SP1 の CD-ROMをCDドライブに挿入し、以下のコマンドを実行して下さい。
以下の画面が出るので、先に進むために「y」を選択します。 アップデートの種類を選択します。以下のカテゴリを参考に、1 から 4 までの数字を選択してください。
問題がなければ、「y」を押して次に進みます。 インストールされるパッケージを参照するかどうかを訊ねられますので、表示させたい場合は「y」を押してください。スキップしたい場合は「n」をタイプします。 前の画面で「y」を選択した場合、適用されるパッケージの一覧が表示されます。一度に表示されるパッケージは十個ですが、スペースキーを押すと次の十個が表示されます。リストアップを止め、インストールに移るには「q」を押します。 「Do you want to proceed?」という質問がでますので、「y」を選択するとパッケージの適用が始まります。 一枚目のCD-ROMに含まれるパッケージの適用が終了すると、二枚目のCD-ROMを要求されます。二枚目のCD-ROMをドライブに入れ、「q」以外の任意のボタンを押します。「q」を押すとインストーラは終了します。 ISO イメージをマウントしている場合は、別ターミナルから二枚目の ISO イメージをマウントします。「Ctrl+Alt+F2」などでターミナルを切り替え、以下のコマンドを実行してください。
なお、パッケージの適用状態や選択したオプションによっては、この質問は訊ねられません。 ML40SP1 の適用が終わると、以下のメッセージが表示されます。 ※注意※ 以下のメッセージが表示された後数秒間は、バックグランドで処理が実行されています。メッセージが表示された後すぐにマシンをシャットダウンせず、数分間待ってからシャットダウンしてください。 新機能の導入ML40SP1 の一枚目に収録されている一部のパッケージはML40SP1 インストーラでは導入されません。これらのパッケージをインストールするには、SP1 適用後、手動で rpm コマンドを実行してください。以下は実行例です。
ML40SP1 適用注意事項■ ML40SP1 適用処理の最後に実行されるはずのスクリプトが実行されない問題[不具合詳細]
ML40SP1適用中にtmpwatchプログラムが実行されると、インストーラが/tmp/base配下にコピーして使用するファイルの一部が削除されてします。この削除されるファイルのひとつにpostscript.shというスクリプトファイルが含まれるため、最終的にpostscript.shは実行されずにインストールが終了してしまいます。 postscript.shが実行されないことにより、以下の現象が発生します。
[対応手順] 事前回避策 tmpwatchが実行されないように、ML40SP1のインストーラ起動前に以下の2つのコマンドを実行してください。
問題が発生した場合の対処方法 それぞれの現象の対処方法を個別に記述します。
■ ML40SP1 適用時に、SysVinitのエラーメッセージが出る問題[不具合詳細] SysVinitのインストールにおいて、以下のメッセージが表示される場合があります。
これはinitプロセスを新しいinitモジュールで再実行する処理に失敗したというメッセージですが、これが失敗してもシステムの動作に影響はありません。 [対応手順] システムを再起動することにより、起動後は新しいinitモジュールで動作します。 ■ ML40SP1 適用後、既存のkernel-sourceパッケージがシステムから削除されてしまう問題[不具合詳細] ML40SP1 インストーラは kernel-source を新規インストールせずアップデートするため、ML40SP1適用前にシステムに存在する kernel-source を削除してしまいます。また、ML40SP1 適用前に複数の kernel-source パッケージがシステムに存在する場合、「error: %preun(kernel-source-2.6.9-11.25AX.i686) scriptlet failed, exit status 1」というエラーメッセージが表示される場合があります。 [対応手順] 既存の kernel-source を改めてシステムに導入したい場合は、ML40 の一枚目のCD-ROMなどから、再度 kernel-source をインストールしてください。
「error: %preun(kernel-source-2.6.9-11.25AX.i686) scriptlet failed, exit status 1」に関しては、kernel-source-2.6.9-11.25AX パッケージを削除しようとする処理に失敗しています。以下のコマンドを実行することで、kernel-source-2.6.9-11.25AX パッケージを手動で削除することが出来ます。
kernel-source-2.6.9-11.25AX をシステムに残したい場合は、このエラーメッセージは無視していただいて結構です。 ■ ML40SP1 適用後、マシンを再起動すると iscsi サービスが起動してしまう問題[不具合詳細] ML40SP1 を専用インストーラで適用すると、iscsi の chkconfig レベルが有効化される不具合が発見されました。これは テキストモードのインストーラがインストール完了のメッセージを表示した後もバックグラウンドで処理を継続して行っていることが原因です。 [対応手順] テキストインストーラの終了後、二・三分程度待ってからサーバマシンを再起動させてください。 ■ ML40SP1 適用後、/tmp に大きなスワップファイルが残る問題[不具合詳細] 搭載 RAM が 256MB 以下、スワップ領域が 512MB のマシン構成で ML40SP1 インストーラを起動すると、/tmp/axinstaller_swap.XXXXX (XXXXX はランダムな文字列) というスワップファイルを作成します。このファイルはインストーラが正常終了しても自動的には削除されません。 [対応手順] サーバマシンの再起動後、手動で該当するファイルを削除してください。 ■ ML40SP1 適用後、man コマンドの表示が文字化けする問題[不具合詳細] manコマンドを実行して日本語のmanページを参照すると、画面表示が崩れ日本語が正常に表示されな い不具合があります。 [対応手順] /usr/bin/nroff ファイルをエディタで開き、/usr/bin/groff コマンドに渡すオプションを、- Tascii8 から -Tutf8 に変更してください。
■ ML40SP1 適用後、tcsh シェルで less コマンドを実行すると表示が崩れる問題[不具合詳細] tcsh シェルを利用しているユーザがコンソール上で less コマンドを実行すると、日本語・英語文 書に関わらず正常に表示できない問題が発見されました。 [対応手順] /etc/profile.d/lang.csh ファイルをエディタで開き、69行目の「/bin/echo -n -e '\033%G'」の行 を削除します。
■ x86-64 アーキテキチャで、/var/log/lastlog が 1.2TB のサイズに見えてしまう問題[不具合詳細] x86-64 アーキテキチャで、ls コマンド等で /var/log/lastlog のファイルサイズを参照すると 1.2TB と認識する問題があります。/var/log/lastlog はスパースファイルのため、実際に 1.2TB のディスクスペースを占有しているわけではありません。 [対応手順] /var/log/lastlog ファイルを削除してから ML40SP1 を適用すると、正常なファイルサイズが取得できるようになります。この場合、過去の lastlog の履歴は無くなってしまうのでご注意ください。
■ hugemem カーネルシステムで、ディスクダンプ採取後のサーバ起動時にエラーメッセージが表示される問題[不具合詳細] ディスクダンプ取得後、hugemem カーネルでサーバを再起動すると、diskdump サービスの初期化時に以下のエラーメッセージが表示されます。
[対応手順] 上記のエラーメッセージが表示されても、ディスクダンプの取得に失敗しているわけではなく vmcore ファイルにも影響はありません。このエラーメッセージを表示させないようにするには、/etc/sysconfig/diskdump に、以下の設定を追加してください。
■ ICH5R 構成のサーバで aarich2 ドライバを使用している場合に /var/log/messages にエラーメッセージが記録される問題[不具合詳細] ICH5R構成のサーバでaarich2のドライバディスクを使用してML40をインストールした環境にSP1を適用した場合、再起動後/var/log/messagesに "kobject_register failed for aarich (-17)" というログエントリが記録されてしまう問題があります。 [対応手順] /lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/scsi/aarich.ko を削除してください。次回のマシン起動時からエラーメッセージが表示されなくなります。`uname -r` にはコマンドの実行結果で返ってくる文字列を代入してください。
■ dpt_i2o 環境で、ドライバが使用中にも関わらずアンロードが可能な問題[不具合詳細] dpt_i2o環境で、lsmod コマンドを実行すると、本来Usedが返す値の代わりに "0" が返ってきてしまい、dpt_i2o ドライバが使用中にも関わらず、本来許可されない rmmod コマンドでドライバのアンロードが出来てしまう問題があります。 [対応手順] rmmod コマンドを実行しないようにしてください。 ■ ZCR(dpt_i2o) 環境で、smartd サービスを起動するとストールする問題[不具合詳細] ZCR(dpt_i2o)環境において、ロジカルドライブ構成または、ホットスペア設定をしていないHDD(FreeDisk)が、接続されている状態でsmartd サービスを起動するとストールする問題があります。 [対応手順] smartdが実行されるとシステムがストールするため、smartd は起動しないでください。マシン起動時に smartd を起動しないように設定するには、chkconfig コマンドを実行してください。
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